「厳しい戦い」――ホンダ陣営、F1日本GP記者会見+D Style News

» 2007年09月25日 19時15分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 本田技研工業は9月25日、9月28日から30日まで富士スピードウェイで開催される「2007 FIA F1世界選手権フジテレビジョン 日本グランプリレース」に関する記者会見を行った。会場には「Honda Racing F1 Team」「SUPER AGURI F1 TEAM」の代表やドライバーらが登場し、今シーズンの振り返り、日本グランプリに対する意気込みを語った。

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ホンダ、空力改善が重要なポイント

 “純ホンダ”ワークス2年目となる今年、エアロダイナミクスを一新したマシン「RA107」を投入したHonda Racing F1 Teamだが、苦しいレースを続けている。同チームのシニア テクニカルディレクター・中本修平氏は、「現在のマシンはトップチームに比べダウンフォースをいかしきれていない。低速コーナーでは互角に戦えるが、中速、高速では離されてしまう。コーナー進入時のブレーキングで空力が十分に得られず、車体が不安定になる問題もある」と発言。サイドポンツーンやフロントサスペンションなどの形状を改良し、安定した空力性能を得るため試行を繰り返していると説明した。

 同チームCEOであるニック・フライ氏も登場した。低迷する状況を打開するために、経験を積んだエンジニアをチームに迎え、空力を中心に強化し今後のレースに臨んでいくという。また巨額の資金を投じたスーパーコンピューターを採用し、エアロダイナミクスをより徹底して解析していくと話した。

photophoto 中本修平氏とニック・フライ氏
photophotophoto 日本グランプリ仕様のRA107

スーパーアグリ、「ファンのために精一杯」

photo 鈴木亜久里氏

 SUPER AGURI F1 TEAM代表の鈴木亜久里氏は、前年度を「あっという間の1年間だった」と振り返り、「2007年は少しまとまった体制で迎えることができている。スペイングランプリでは初ポイント、カナダでは6位入賞もできた。1番小さいチームで、できることも限られているが、ファンのために精一杯努力する。日本グランプリも厳しいレースになると思うが、日本で開催されることがメリットとなって、いい結果が出ることを期待している」と語った。

初めての“富士”に臨む、ドライバー

 今年の日本グランプリ開催地は、2005年に大幅な改修を終えてリニューアルした富士スピードウェイ。旧コースの特徴であった約1.5キロのロングストレートは残しつつ、より安全で、かつ攻略の難しいコースに生まれ変わっている。この新コースで行われる日本戦に対し、各ドライバーが意気込みを語った。

photophoto ジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロ

 ホンダのジェンソン・バトンは「日本は第2の故郷。厳しい戦いになるとは思うけど、がんばるよ。コースはビデオでチェックしている。マシンのセッティングが難しいだろうね。コースに着いたらまず歩いてみて、細かいところまで観察するよ」とコメント。ルーベンス・バリチェロは「厳しい状況だけどなんとかポイントを取りたい。昔の富士のコースはF3で走ったけど、新コースはかなり変更されている。スロースピードのコーナーがポイントだ」と語った。

photophoto 佐藤琢磨とアンソニー・デビッドソン

 スーパーアグリの佐藤琢磨は「今年のレースはスペイン、カナダとすばらしい結果になった。でもレースならではのハプニングによるところもあって、冷静に考えれば日本グランプリは厳しい戦いになる。エンジニアも精一杯努力してマシンを改良してくれているし、ファンのために頑張りたい。新しい富士は、木曜日に歩いてみないとわからないけれど、だいたいは想像できている。」と話した。アンソニー・デビッドソンは「今シーズンは僕にとって初のF1フル参戦。前回のレースは残念な結果になったけど、僕たちには回復力がある。小さいチームでも結果を残せることを見せたい。新コースは安全に作られたサーキットだから、みんなかなりプッシュするだろうね」とコメントした。

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