観戦してみない? スーパーGTの歩き方 〜初心者編〜+D Style モテるクルマの選び方

» 2007年08月21日 03時00分 公開
[今井優杏,ITmedia]

photo ヴィーマック。雨からクルマを守るためのシートが乗っています

 このコラムのタイトルは、「モテるクルマの選び方」となっています。

 単に「クルマの選び方」にしなかった理由。それは新車情報だけではない、色んなクルマにまつわるお話をさせていただきたかったから♪

 今回は前回に引き続き、国内最高峰レースと称される、「スーパーGT」 のお話を。


photo 今年の開幕戦は鈴鹿にて。いいお天気で観戦日和でした

 皆さん、レースをナマでみたこと、ありますか?!

 意外とないってヒト、多いんじゃないかしら? かくいう私だって、レースクイーンなんてものをするようになってから知ったレースの面白さ。それまでは「なんだって同じトコロをグルグル走ってるようなモンが面白いんだ……」と首かしげてたんですから。

 しかし、このレース。

 するめのように、噛めば噛むほど……知れば知るほど……奥が深く、とてもエキサイティング!! 私も今ではすっかりトリコ。


photo 期待の若手コンビ、#101をドライブする石浦(左)・大嶋(右)組。普段はとっても気さくな選手たちです

 月1回エンジン音を聞かなければ具合が悪くなっちゃうほど、っていうのは大げさですが、でも、あながち間違いではないかも。

 なんてったってガチンコの勝負!! これほどカッコイイものはありません。


photo 土曜日の予選終了後には、子供たちが優先的に入れる「キッズピットウォーク」も。#7 RE雨宮 RX-7の井入選手・折目選手

 スーパーGTには2つのクラスが混走していることを前回、書かせていただきましたが、エントリーしている車両がバラエティーに富んでいることも人気のひとつです。

 500クラスには現在3車種、16台がエントリーしています。

 TOYOTAチームはレクサスSC430、HONDAはNSX、NISSANはZ。

 この500クラスはまさにGTカーレースのトップ中のトップです。


photo イベントステージでは、ドライバーの素顔が見られるトークショーも開催。ダンロップステージでは、ダンロップタイヤを履く#35 BANDAI OO DUNLOP SC430の服部選手と#47 宝山DUNLOP Zの脇坂薫一選手が爆笑トークショー中

 フルチューンを施したマシンの車体は「剛性よりも軽量化」のためすべてカーボン製。また、500馬力というとてつもないパワーを路面に伝えるために、「戦車?!」と見まごうほどの太さのタイヤを履くわけですが、そのタイヤをすっぽり隠すために、前後フェンダーの拡張が施されています。

 GTマシンが市販車よりも大きいのはそのため。もちろん、拡大され、車高を低く設定することで、空力を効果的に効かせる働きもあります。


photo コレが“紫電”。独特のスタイリングはルマンカーのよう

 カタチまで変わっちゃって、もはや市販車ベースであって市販車じゃない!!

 現在世界中でGTカーベースのレースはたくさん行われていますが、この500クラスのマシンはそのなかでも優勝争いに食い込むほどの実力を誇るのですよ。

 もちろんだからこそ、このクラスに参戦するには膨大な費用がかかる。


photo このように一般の方も記念撮影が可能なピットウォーク。#12 カルソニック IMPUL Zの星野一樹選手とジェレミー・デュフォア選手

 そこで、300クラスです。

 300クラスはそこまで開発費が高くないため、様々な車両がエントリー。これがもう、観ているだけで相当面白いラインアップ。

 国産ならトヨタ・セリカとMR-S、NISSAN・Z、マツダ・RX-7、スバル・インプレッサ。

輸入車ならフェラーリ・F360モデナ、ポルシェからはGT3とボクスター、フォードGT、ランボルギーニ・ガイヤルド。

 ちょっと変わったところで紫電、ヴィーマック、モスラーMT900R、ガライヤ。

 はぁ、はぁ、もう、羅列しただけで息切れしそう。

 これらがいっぺんに走るのですから、面白くないわけがない!!


photo ピットで整備中のガイヤルド。スーパーカーをこんなに近くで撮影できます

 それぞれのマシンの特性や得意分野がまったく違うので、サーキットによって得手不得手が生まれるのですね。

 もちろんコースだけではなく、天候にも左右される。例えば第5戦、菅生。雨でコースが荒れ、スピンやクラッシュが相次ぎましたが、そこで4WDの実力を見事に発揮したのがスバル・インプレッサでした(ちなみにスバルは4WDシステムを独自にシンメトリカルAWDと呼んでいます)。


photo 500クラスの#35 BANDAI OO DUNLOP SC430。第5戦からカラーリングが変わり、この秋から放送されるガンダムの新シリーズとコラボ。ファンにはたまりませんよね!!

 私はF1も大好きですが、フォーミュラカーにないおもしろさが、そこにあります。

 また、これだけの台数があれば、各マシンをあやつるレーシングドライバーも、非常に個性豊か。


photo ポルシェ911 GT3RSを走らせる#26ユンケルパワー タイサン ポルシェ

 スーパーGTはレギュレーション(ルール)上、1レース中2人のドライバーが必ず交代してドライブしなければなりません。

 500クラスはモンスターマシンを操るにふさわしいトップドライバーが名を連ねますが、300クラスを知ればさらに面白い。

 来年の500クラスのシートを虎視眈々と狙う実力派ドライバーが数多く存在するからです。


photo 期待の若手コンビが乗る#101 TOY STORY Racing apr MR-S。あの小さいMR-Sが300馬力?! エンジンルームには、ものすごい工夫が詰まってます!!!

 特にカートやフォーミュラからジャンプアップしてきた若手ドライバーの活躍が目覚しい今シーズン。カーナンバー101番、TOY STORY Racing apr MR-Sの大嶋和也・石浦宏明組に至っては20歳(!!)と26歳という若さながら、なんと300クラスのポイントランキングダントツトップ(第5戦終了時)!! 常勝チームとなっています。

 業界中が注目するこのふたり、日本を代表するトップドライバーに駆け上がる日も、そう遠くはないでしょう。


photo レース界が注目する#101の2人は大人気。サインを求める人の列が絶えません

 スーパーGTの魅力はその、雲の上の存在とも思えるレーシングドライバーと触れ合えるところにもあるのかもしれません。

 ピットウォークでは、レース中クルマを整備するピット内の様子を見られるだけでなく、ドライバーも積極的にファンサービスに応じていますし、各チームのスポンサーもサンプリングやファンサービスにとても熱心。


photo 各チーム様々な戦略のもとに作成するマシン。これは#35BANDAI OO DUNLOP SC430のリアフェンダー。第5戦から形状変更です

 もちろんサーキットの華、レースクイーンは総勢約200人!!

 ピットウォークだけでなく、スタート直前のコースに入れる「スターティング・グリッド」、子供優先のキッズピットウォーク、ドライバーやレースクイーンが登場するステージ、などなど、楽しみ方は無限大!!


photo 今年大活躍の#8 ARTA NSX。雨から車体を守るためにシートが掛けられています

 実はけっこう近くにあるのに、遠く思える存在のサーキット。

 世界に通用するレベルのマシンを、是非観に行ってください。

 まさに「限界域での走行」を体感すれば……その音に、熱気に、スピードに、あなたもきっと、夢中になりますよ!

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筆者プロフィール

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今井優杏(イマイ ユウキ)

2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!


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