史上最小ボルボ登場!「Volvo C30」+D Style モテるクルマの選び方

» 2007年07月10日 10時00分 公開
[今井優杏,ITmedia]

「やっぱり時代はプレミアム・コンパクトカーなのね……」

 梅雨の千葉の空の下で、感慨深くステアリングを握る私。しっとりと上品な革張りのステアリングは、まるで手のひらに吸い付くよう。インテリアも、とってもシック。さすがイケアを生んだスウェーデンの高級車メーカーだわ……、とその匂い立つような「おとなっぽさ」に浸ってしまう……。

 あのボルボから、ボルボ史上最もコンパクトなクルマ、C30が発売されます。最もコンパクトで、最も強いメッセージを持つクルマ、それがこのC30なんです。

photophoto 「Volvo C30」

「でもさぁ、ボルボでしょ……。それってなんかオジサンくさくない?」

 なんて思った方は、実は正しい。現在のボルボはオーナーの平均年齢が46歳、これはほかの自動車メーカーに比べてもちょっとオトナな年齢。読者の皆さんがちょっとしり込みしてしまう気持ち、よ〜〜く分かります。


photo 鼻を並べたC30。お顔は従来のボルボの流れを汲んでいます

でもそれじゃあ、若い世代にいつまで経っても受け入れてもらえない! うちの素晴らしい技術を、若い人にも味わって欲しい!! と入念なリサーチを行い、ボルボらしさを残しつつも斬新なデザインを導入し、35歳以下の若い世代のエントリーモデルとして、開発されたのがこのC30。

 ボルボだって、若い世代のボルボ離れを憂いていたのです。

 さらに面白いのは、そのU35の中でも、かなりコアターゲットがはっきりと想定されている点。
・ 若い
・ シングル
・ 子供ナシ

 ちょっと、それ間口狭くない?! なんて思わず文句のひとつでも言ってしまいそうな感じもあるんですが、私はそこに好感を持っちゃったの。

 数ある自動車メーカーの中でも、そこまでハッキリ言い切ってるところは見たことありません。そりゃ、コンセプト的に、なんとなく若い世代をイメージさせるようなニュアンスは使っても、自ら間口狭めるようなこと、普通言わないよね。それだけ自信があるってこと?! なんて興味を喚起させるところが実にウマイ。

 そのリサーチ、なんとU35世代が好む洋服や靴のブランド(たとえばナイキ、とかね)までもを把握した、っていうんだから、その本気度たるやスゴイ。


photo こんなにコンパクト……ではないですが(笑)、小回りはバツグンです

 そんなバックグラウンドを持つC30、その斬新なスタイリングには見た人すべてが何らかの反応を示すことウケアイです。

 フロントフェイスは何てことない、従来のボルボファミリーの「お顔」なのですが、サイドからリアに回れば、「な、なんじゃこりゃ〜〜?」とその独創性に驚きます。本当にこれがボルボ?! と疑うくらい、まるっこく仕上がってるんです。


photo 印象的なガラスハッチバック。ルックスだけではなく、後方視界もよいスグレモノです

 大体広告のすべてにリアビューを採用するほどの割り切りようで、なんというか……上からべちゃっとつぶしたような、まるで笑ったブルドックのようなお顔、なんですもの。

 これならかなり遠くからでも「おっ、あれはC30だ!」なんて目立っちゃうことも間違いない。


photo こちらも印象的なテールランプ。とてもグラマラスです

 テールランプがトップにまでデザインされているので、夜間でもちゃんと目立ちます。誰かと待ち合わせしても、すぐに見つけてもらえそう。

 しかし、そこまで派手なデザインにも関わらず、ボディーカラー展開はとってもシック。どちらかというと曇り空にも似合うような、中間色中心の色合いになってるんです。

 派手好きな私、思わず質問しちゃいました。

「どうしてポップな色を使わなかったの?若者がターゲットなんでしょ?」

 スウェーデンから来日していた広報マネージャーは、笑顔で「Nice question!」と説明してくれました。

「これもマーケティングの結果なんだよ。若い人がなに色を好むのか、どんなものが好きなのか」

 ううん……。スウェーデンの若者は地味好きなの?
 私なら、もっとパッキリした色がいいんだけどな……。ちょっと残念。


photo シックな車内。好みに応じたカスタマイズもできます

 運転席のドアを開けると、居住空間のつくりのウマさは「さすがスカンジナビアンデザイン……」。

 やんちゃなフェイスと真逆の、大人の空間が広がるところがまたいいギャップ。色使いやセンターコンソールのデザイン性の高さには、こだわりを感じます。これでもか! みたいないやらしさがないところがポイント。なんとな〜く、オシャレなの。

 乗り味も、これまた「さすがボルボ!」と唸る上品さ。クセがなく、非常に乗りやすい!!

 輸入車がはじめてのひとだって、ちょっと贅沢だけど初めてクルマを買う人だってすんなり、乗れちゃうんじゃないでしょうか。

 しかも「安全」といえばボルボ。

 衝突安全にも世界最高水準のものを、きっちり使っているんです。その安全性能たるや、大型のボルボS40と同等、というのですから、「小さい車は危ないんだよね」なんていうのも、もはや過去の判断基準となっているのです。

 しかし私がなによりも感嘆を覚えたのは、

「あのお堅い、伝統を守り続けているボルボが、ここまでデザイン改革をしてまでもコンパクトカー市場に参入してきた事実」でした。

 それほどまでに世界的にコンパクトカーは伸び、売れているのです。世界中で叫ばれている「エコ」も追い風となって、今、各自動車メーカーはコンパクトに目を向けなければ生き残っていけない状況にあるのでしょう。

 どちらにせよ、ここまで新しい風を感じさせてくれるこのコンパクトカーの勢い。
 ね、ちょっと注目したくなってきたでしょ?

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筆者プロフィール

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今井優杏(イマイ ユウキ)

2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!


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