「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」+D Style 最新シネマ情報

» 2007年07月09日 12時47分 公開
[本山由樹子,ITmedia]
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© 2007 Warner Bros. Ent.
Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.
Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and ©
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 早くもシリーズ5作目。前作「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」で、闇の帝王であるあの人=ヴォルデモート卿が復活。三大魔法学校対抗戦の最終決戦で、彼のワナにはまり、選手のひとりが殺されてしまうが、ハリーは辛くも難を逃れる。

 そして今回、ホグワーツ魔法学校の5年生になったハリーがダーズリー家で夏休みを過ごしていると、突如、死喰い人に襲われる。一緒にいたダドリー・ダーズリーを守るため、人間界で使うことを禁止されている魔法を使ってしまうが、これが大問題に。自衛のために魔法を使ったといくら説明しても魔法省には取り合ってもらえず、さらにヴォルデモート復活も信じてもらえない。そんなハリーの退学の危機を救ったのはダンブルドア校長だった。一難去ってまた一難、今度は魔法省から新任教師のアンブリッジが派遣され、生徒たちに数々の禁止令と体罰を下していく。ヴォルデモートの影に怯えるハリーは、ロンやハーマイオニーたちと一緒にダンブルドア軍団を結成し魔法の特訓を行うが……。

 本作からのデビューは厳禁、まさにイチゲンサンお断りムービー。前4作を見ていても、ハリーが父親のように慕うシリウス・ブラックの家に仕えるクリーチャーがなぜぼやいているかなど、原作を読んでいないと分からないシーンが多くて少々困惑。しかも、宣伝のウリ文句にある肝心の謎はベールをかぶったままでイライラも募る。それでも面白いと感じたのは、受難続きのハリーがいい子からの脱却を図りダークな一面をみせ(ブラック・スパイダーン並み!)、そしてクライマックスの魔法対決も息をつかせない迫力だったから。

 あとはキャラの濃さ。特に全身ピンクなアンブリッジ先生は、ハリーをとことんイジメ抜き、ホグワーツでの支配力が強くなるにつれ、服のピンク度がアップしていく。一見、現実離れしたキャラ設定だけど、自分が常に正しいと思っているこういうタイプ、実は身近に多いかも!?「ヴェラ・ドレイク」のイメルダ・スタウントンが悪役を嬉々として演じていて楽しい。

 これから本格的な魔法戦争がいよいよ勃発しそうな予感。第6作「〜謎のプリンス」も続投するということなので、デイビッド・イエーツ監督、さらにダークな展開を期待してますよ。

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ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

監督:デイビッド・イエーツ/原作:J.K.ローリング

出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーター、ロビー・コルトレーン、レイフ・ファインズ

配給:ワーナー・ブラザース

2007年7月20日よりサロンパス ルーブル丸の内ほか全国ロードショー



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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