「ダイ・ハード4.0」+D Style 最新シネマ情報

» 2007年06月20日 09時00分 公開
[本山由樹子,ITmedia]
photo (C)2007 TWENTIETH CENTURY FOX

 20世紀を代表するアクション・ヒーロー、ブルース・ウィリスのジョン・マクレーン刑事が12年ぶりにカムバック!シリーズの復活に「またか?」と眉をひそめるのは当然至極、でも、この復活は大成功だった!

 「1」ではロスの超高層ビル、「2」ではワシントンのダレス空港、「3」ではニューヨーク市街全域が舞台だったが、今回の敵は全米を恐怖に陥れるサイバーテロリスト!

 7月4日の独立記念日の前夜。ニューヨーク市警のマクレーン警部補が、たまたま訪れていたニュージャージーで、若いハッカー、マットの身柄を拘束するよう上司から緊急連絡を受ける。渋々マットのアパートを訪れたマクレーンは、そこで謎の一味に襲撃されてしまう。壮絶な銃撃戦の末、2人はワシントンDCにあるFBI本部にたどりつくが、街では異常な交通渋滞が発生していた。こうして始まったサイバーテロ。ガブリエル率いるテロ集団は、交通、通信、金融など全米のライフラインのすべてをコントロール下に置き、国家そのものを乗っ取ろうとしていたのだ。混乱の中、マットは自分が開発に関わったプログラムがこのテロに使われ、口封じのために命を狙われたことに気づき……。

 “まずい時に、まずい場所にたまたま居合わせた、まずい男”マクレーンが案の定、事件に巻き込まれていく。限られた空間での銃撃戦、頭脳戦、肉弾戦が「ダイ・ハード」の醍醐味だが、今回は限られた空間ということではなく、デジタル制御という厄介な状況下で、テロ集団を相手に孤軍奮闘することに。

 敵がデジタル派といっても、マクレーンは相変わらず体力と刑事の勘と経験を頼りにするガテン系。冒頭の銃撃戦からカーチェイス、武装ヘリコプターに戦闘機(!?)との過剰な一大バトルまで、身ひとつで立ち向かう。その活躍と不死身ぶりは人間離れしているのだが、今回はテロの一員であるマギー・Qに蹴られるわ、殴られるわ、突き落とされるわ、シリーズ史上最悪にボコボコにされ、血まみれ状態。でも、そこはやられたらやり返す、2倍3倍返しは当たり前。何だかんだと文句はいっても、「オレが戦うのはほかにやる人間がいないから」と、カッコ良過ぎるぞ、ブルース・ウィリス、52歳! しかも1作目よりもムキムキだ。

 新相棒となるオタクのハッカー青年とは親子ほど年が離れ、世代間ギャップが笑いの源となる。共通点が何もない凸凹コンビも、やがてお互いの弱点を補い合い、絆を深めていく。世代を超えた友情に加え、父親に反発する大学生の娘との絆も描かれ、不器用だけど愛すべきオヤジ像も健在だ。

 シリーズの魅力を失わず、それでいてハリウッドの潤沢な予算を使った娯楽大作に、根っからの「ダイ・ハード」ファンも、これがデビューという若い人も、頭を空っぽにして129分間飽きることなく楽しめるだろう。ちなみに、あえて旧3作を復習する必要はないので、ご安心を。

photophoto (C)2007 TWENTIETH CENTURY FOX

(C)2007 TWENTIETH CENTURY FOX

ダイ・ハード4.0

監督:レン・ワイズマン/脚本:マーク・ボンバック

出演:ブルース・ウィリス、ジャスティン・ロング、ティモシー・オリファント、クリフ・カーティス、マギー・Q

配給:20世紀フォックス映画

2007年6月29より日劇1ほか全国ロードショー



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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