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欧州モバイルテレビ事情(1):

携帯+テレビは離陸するか──欧州の現状とビジネスモデル (1/2)

携帯電話+テレビの融合にどんな可能性があるのか──。今、国内外で注目を集めているのが、モバイルテレビと、それを使ったビジネスモデルの構築だ。欧州ではどんなビジネスモデルが検討されているのか。
2007年02月05日 16時28分 更新

 1月24日から3日間、仏・パリでモバイルテレビのカンファレンス「Mobile TV World Congress」が開催された。モバイルテレビの開始に伴うビジネスチャンスやサービスの現状、技術などについて、欧州市場を中心にアナリストやベンダー担当者らがセッションを行った。

欧州モバイルテレビの現状

 欧米では、携帯電話などの携帯端末上にテレビコンテンツを配信するサービスを“モバイルテレビ”と総称しているが、そのサービス形態はさまざまだ。

 現状、携帯電話などのモバイル端末でテレビサービスを実現するには、3G網を使って配信する方法とブロードキャスト(放送)規格を使って配信する方法の大きく2つがある。欧州では現在、英Vodafone、仏Orangeなど多くの通信オペレーターが3G網を利用したモバイルテレビサービスを提供しているが、これにはブロードキャスト方式の場合、周波数帯の割り当てなどの国の規制が障害になるという背景がある。しかし3G上での配信ではキャパシティの問題もあることから、将来的にはブロードキャスト規格を用いたサービスが主流になると予想される。カンファレンスでも、後者をモバイルテレビと定義して説明するスピーカーが多かった。

 ブロードキャスト規格を用いたモバイルテレビは、日本で2006年4月に「ワンセグ」がスタートするなど、世界各地で少しずつ立ち上がり始めている。欧州では2005年から各国でトライアルが行われ、2006年7月にイタリアで商用サービスがはじまっている。

 立ち上がりの兆しが見えてきたモバイルテレビに対する、通信オペレーターやコンテンツプロバイダなど関連業界の期待は大きい。その理由には、“テレビ”は消費者が慣れ親しんだサービスであること、各トライアルのフィードバックが良かったことなどが挙げられる。2006年にブロードバンド規格DVB-Hベースでモバイルテレビサービスを開始した伊・3 Italyは、サービス開始から4カ月で25万人を集客するなど順調な立ち上がりを見せた。こうした背景から、調査会社の英Ovumのアナリスト、エデン・ゾラー氏は「概してポジティブな見通し」とまとめる。

 モバイルテレビ市場に関する各調査の数字もそれを後押ししている。調査会社の英Informa&Telecomは、2010年にはモバイルテレビユーザーは世界1億2500万人に達すると予測。各社の統計をまとめた米Qualcommのデータでは、モバイルテレビ人口は2010年に1億5035万人、2011年には2億1620万に達するという数字が出ている。

 しかし、モバイルテレビ市場が離陸するにはいくつかの課題がある。ビジネスモデルやサービス内容、対応端末、採用する規格などだ。

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[末岡洋子,ITmedia]

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