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神尾寿の時事日想:

春商戦が追い風──普及が進む新FeliCaチップ

ドコモとauから相次いで発表された2007年春モデルには、おサイフケータイが多数ラインアップされた。多くのユーザーが新規契約や機種変更を行う春商戦には、多数の新FeliCaチップ搭載機が店頭に並ぶことになる
2007年01月18日 15時48分 更新

 ドコモauの新モデルが発表され、いよいよ春商戦が始まろうとしている。16日に発表された両社の春商戦モデルは、ドコモがデザイン、auがワンセグに注力し、どちらも甲乙付けがたいラインアップだが、その中でもうひとつ注目なのが、おサイフケータイへの対応だ。

 両社のおサイフケータイ対応を見てみよう。

 まず、ドコモは「F703i」「N703iD」「SH703i」「SO703i」「P703i」の5機種がおサイフケータイに対応しており、すべてが903iシリーズと同じ新バージョンのFeliCaチップ(Faver 2.0)を搭載する。おサイフケータイ機能も903iシリーズ相当で、「iCお引っ越しサービス」や「IC通信」、新仕様の「トルカ」に対応(2006年10月の記事参照)。ドコモは以前からハイエンドモデルの90xシリーズを中心におサイフケータイを推進してきたが、この春商戦モデルから70xシリーズでの対応も本格化した格好だ。

 auも、この春商戦モデルではおサイフケータイに本腰を入れている。W51シリーズでおサイフケータイに対応するのは、「MEDIA SKIN」「W52T」「W51CA」「W51K」「W51H」「W51P」「W51S」「W51SA」の8機種。ほぼ標準的な機能として搭載している。さらに、これらauのおサイフケータイのうち、W51P以外の7機種はドコモと同じ新バージョンのFeliCaチップを搭載した。新FeliCaチップ搭載機は、従来の3倍となる容量増大の恩恵が受けられるほか、FeliCaを使った電子クーポン機能「auケータイクーポン」に対応している。

春商戦がおサイフケータイの追い風

 周知のとおり、今年の春商戦は番号ポータビリティ(MNP)制度の影響もあり、各キャリアが既存顧客の囲い込みと新規顧客の獲得に力を入れる。機種変更と新規契約の両方で、端末の大幅な値下がりと販売競争が起きるだろう。多くの携帯電話ユーザーが、この春に「新端末」を手にするのは間違いない。これはおサイフケータイの端末普及において、この上ない追い風になる。

 しかも、店頭には多くの新FeliCaチップ搭載機が並ぶ。ドコモは値下がりした903iシリーズと703iシリーズのおサイフケータイ、auは春商戦向けのおサイフケータイの大半が新FeliCaチップを搭載しており、どれも春商戦で多く売れるだろう。

 新FeliCaチップは容量が増大しているので、モバイルSuicaなど容量の大きな交通系アプリを導入しても、複数のFeliCa決済アプリや他の会員証アプリが導入できる。さらに、トルカ、auケータイクーポンなどが搭載されたことで、流通業を中心に「決済+α」の顧客獲得やCRMの取り組みが行いやすくなる。これらはおサイフケータイの活用を考える事業者にとって、重要なポイントだ。

 この春、多くのユーザーの手に渡るおサイフケータイ。これをいかに使ってもらい、新たなサービスやビジネスにつなげるか。FeliCa関連ビジネスにとって、大きなチャンスと言えるだろう。

[神尾寿,ITmedia]

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