誠

プリンタ用表示
ニュース

2006年の携帯業界を振り返る(4):

新規参入、モバイルWiMAX、FMC、そして新サービス──2007年の携帯業界の動きは? (1/2)

2006年の携帯業界を振り返る年末特別企画の最終回は、2007年の携帯業界を大胆予想。新規参入、FMC、モバイルWiMAXの展開に始まり、キャリアの動向を通信ジャーナリストの神尾寿氏とケータイジャーナリスト石川温氏に予想してもらう。
2006年12月31日 23時57分 更新

新規参入のサービスは緩やかに進む

ITmedia では、最後に2007年の展望をお聞きします。番号ポータビリティ(MNP)は今後も続いていくわけですが、業界では3月にもう一山来るのでは、といわれています。また3月といえば、新規参入イー・モバイルアイピーモバイルのサービスが始まる予定です。さらに、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)は本当に離陸するのだろうか、ということなどを踏まえて、2007年をどう見ているのか、どういうところに期待しているのかをお聞かせください。

石川 2006年に比べて、2007年は何もないな、という気がしているんですが。

神尾 まあ、(携帯電話)業界の半分が燃え尽き症候群になっていそうですからね(笑)

石川 強いて新しい話といえば新規参入くらいですけど、あまり期待してはいけないかな、と思っています。緩やかに、そっとしておいてあげなきゃいけないかな、と。

神尾 つぼみがつくまで優しく見守ってあげる。移動体通信事業は立ち上がりに5年単位の時間がかかりますから、当事者や周囲が焦ると失敗します。急いては事をし損じる、です。

石川 そう。優しく優しくしてあげないと。ただ、今年始まったものが定着するタイミングではあるのかな、とも思っています。1つがワンセグ。ワンセグは標準搭載されるようになるでしょう(2006年7月の記事参照)。まだまだサイマル放送ですが、端末は普及してくるし、何かしらのビジネスが生まれてくるだろうと思っています。そこは花開くのではないでしょうか。また、おサイフケータイもPASMOが始まることによって、さらに普及するのかな、といった感じです。2007年はさまざまなビジネスが成熟してくる時期じゃないでしょうか。いや、成長かな?

神尾 いくつかの分野で成長から成熟のステップに踏み出せそうですね。

石川 まだ成長かな……まあ、盛り上がってくるタイミングということですね。こんなもんですかねえ。これくらいしかないような気がしますけど。

ITmedia 2006年秋の番号ポータビリティみたいな、一大イベントのようなものはないですね。

石川 そうですね。

ITmedia 端末の数は、2006年と同様にたくさん出るようですが。

石川 端末はいっぱい出そうですね。

ITmedia 新規参入はとりあえず、みんな見守ろうね、というところですか?

石川 そうですねえ。ただ、両方ともデータ通信サービスしかないので、やっぱりウィルコムには勝てないだろう、という気がします。イー・モバイルの音声通話サービスが始まってからかなっていう感じですかね。

ITmedia データ通信という小さなマーケットの中で緩やかに進む、という感じですか。

石川 でしょうね。どう考えても、どこでも使えるという感じにはなりそうにもないですし。

ITmedia エリアが問題になりますよね。

石川 たとえどんなに安くても、エリアがやっぱりなあ……、という感じはあるので。

ITmedia 携帯業界はどうなると思われますか? FMC(Fixed Mobile Convergence)とか、どう思われますか? まだ実体のない漠然とした感じですが。

神尾 今のところ、盛り上がりどころの全然ない状態ですよね(苦笑)

石川 FMCとは騒がれているものの、究極的な話をしてしまうと、携帯電話の通信速度が高速になって、定額になればどこでも使えるので、携帯電話がすべて兼ね備えればいいのでは、という気も少ししているんです。FMCは固定網をいかに生き残らせるか、というものでしかないような気がします。今のところは、請求書が一緒になるくらいのメリットしかないし。来年、再来年以降、盛り上がるとは思いますが……まあ、絵に描いた餅なのかなあ、という気がしますね。

ITmedia キャリアではどこに注目されますか?

石川 1つはドコモでしょうね。ドコモが今の逆風の中をいかに挽回していくかというのは見ものです。夏野さんは「来年以降、auに負けるものは1つもなくなる」みたいなことを言っていっていましたね。ドコモがいかに巻き返しを図ってくるか、というのが興味深いと思います。あとはソフトバンクが着実にサービスを盛り上げていくか、堅実になっていくか、というところが注目でしょうね。auは規定路線なのでいいかな。ウィルコムは……ファンに支えられているキャリアなので、まだまだいけるかな、という気がします。

ITmedia ウィルコムは独自路線が確立しつつありますよね。そうせざるをえないところもあるんでしょうが。

       1|2 次のページへ

[聞き手:房野麻子,ITmedia]

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.