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今や100人に1人はモバイルSuica――JR東に聞く「Suica最新事情」 (1/3)

携帯3キャリアに対応、クレジットカードを持っていなくても登録が可能になったことで、モバイルSuicaユーザーは着々と増えている。JR東日本のSuica事業は今どのような状況にあるのか、また今後予定されるサービスについて聞いた。
2006年12月14日 15時39分 更新

 IC乗車券/電子マネーの最大勢力として、着実に広がるSuica電子マネー。今年夏以降は共用リーダー/ライターの大規模提携やモバイルSuicaアプリの大幅刷新、3キャリアへの供給体制も果たし、その普及・進化の速度は留まるところを見せない。

 ここでは、JR東日本の鉄道事業本部Suica部次長山田肇氏にインタビューを行い、Suica/モバイルSuicaの現在と、今後の展望について聞いた。

ay_yamada.jpg 東日本旅客鉄道 鉄道事業本部Suica部次長 山田肇氏

バージョンアップ後にモバイルSuicaが急成長

 もはや首都圏で、Suica利用者を見ない日はないのではないだろうか。駅改札口もしくは駅ナカや駅近くの店舗で、Suicaを使うのは日常的な風景になった。それもそのはず、Suica利用者は確実に増加している。

 「Suicaの発行枚数は(カードと携帯を合わせて)1827万枚に達しています。そのうちモバイルSuicaは約20万で、全体のおよそ1%を占めるに至りました」(山田氏)

 モバイルSuicaは当初、JR東日本がイシュアとなるクレジットカード「ビューカード」しか使えないといった制限もあり、爆発的な普及にはならなかった。しかし、それでも開始後1年を経ずに“100人に1人はモバイルSuicaユーザー”になったのである。これは十分に健闘した数字であり、IC乗車券/電子マネーがおサイフケータイのキラーサービスの1つである証左になっている。

 「特にモバイルSuicaがバージョンアップしてからは、利用者がググッと伸びています。現在は1日あたり1000人〜1500人の(モバイルSuica)加入というペースになっています。旧バージョンの時は1日500人〜1000人というペースですから、伸びてきていますね」(山田氏)

 10月1日のモバイルSuicaバージョンアップでは、ビューカード以外のクレジットカードが利用可能になり、さらにクレジットカード不要のEASYモバイルSuicaも始まった。これら対象ユーザーを増やす裾野の拡大が、奏功しているという。

 「“ビューカード限定”を緩和した効果は大きかったですね。例えば11月のある1日の申し込み状況を見ると、1594人のモバイルSuica申し込みがあったうち、ビューカード利用を選んだお客様の比率は約16%。一般クレジットカードを選択したお客様は約49%で、EASYモバイルSuicaの選択比率は約35%です」(山田氏)

 このように、ビューカードユーザー限定という制限を緩和した効果は、モバイルSuicaユーザーの増加として如実に表れている。その一方で興味深いのは、「ビューカード利用者がガクンと減るということもなく、一定数の獲得しながら堅調に推移している」(山田氏)ことだ。ビューカードのサービスや特典はJRの利用が多いユーザーにとってメリットが大きく、モバイルSuica利用をきっかけにビューカード加入を検討・決断するユーザーは少なくないようだ。利用可能クレジットカードの拡大やEASYモバイルSuicaの導入で裾野の拡大を果たす一方、ビューカードとモバイルSuicaの相乗効果も続いている。

 「EASYモバイルSuicaについては、年内までに加入していただければ100円をプレゼントしています。ですから、今、モバイルSuicaの利用を考えているお客様は、最初にEASYモバイルSuicaに加入していただき、その後にビューカードや一般クレジットカード登録をすると、(100円プレゼントのキャンペーンが受けられて)お得なんですよ(笑)」(山田氏)

 このようにモバイルSuicaの増加ペースは弾みがついているが、当初のサービス開始から1年で100万人という目標の実現は難しいという。現在の見込みは、「年度末までに(モバイルSuicaユーザーが)35〜40万人」(山田氏)である。

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[神尾寿,ITmedia]

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