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携帯のFlashにもたらされる大きな変化──米Adobe Systemsムラーカ氏に聞く (1/2)

auの秋冬モデル11機種、ソフトバンクの秋モデル7機種が「Flash Lite 2.0」に対応し、ドコモのiチャネルは「FlashCast」により実現されている。今、携帯のFlashに何が起きているのか、米Adobe Systemsのムラーカ氏に聞いた。
2006年12月06日 23時12分 更新
Photo 米Adobe Systemsのモバイル・デバイスビジネスユニット モバイル&デバイス部門担当ディレクター、アヌープ・ムラーカ氏

 番号ポータビリティ制度の開始を目前に控えて携帯キャリア各社が発表した2007年の秋冬モデルには、さまざまな新機能が搭載されているが、その中でも注目に値するトピックの1つが「Flash Lite 2.0」の搭載だ。

 auの「W43CA」「W43H」「W43K」「W44K」「W43S」「W44S」「W42SA」「W43SA」「W45T」「W47T」「DRAPE」と、ソフトバンクモバイルの「910SH」「911SH」「910T」「810SH」「811SH」「810T」「811T」の全18機種が対応を果たしている。

 Flash Lite 2.0は、Flash Player 7に準拠しているのが最大の特徴で、Flash Player 4ベースだったFlash Lite 1.1と比べて、より多彩な表現が可能になっている。スクリプト言語のActionScript 2.0も利用可能で、端末がサポートしている画像や音声、動画の読み込み、XMLやSWFファイルの読み込みにも対応するなど、さまざまな拡張が施されている。

 これまで携帯電話向けのFlashコンテンツは、待受画面やメニュー画面などに主に利用されていたが、Flash Player 4ベースのコンテンツとして制作する必要があったため、作り手も古い作法や手順にのっとって開発しなければならなかった。しかし、Flash Player 7ベースであれば、表現力が豊になるだけでなく、PC向けのFlashコンテンツと同じように制作可能になるため、コンテンツ制作者にも恩恵がある。

 Flash Lite 2.0や「iチャネル」に採用されている新しい携帯端末向け技術「FlashCast」など、Flashの世界に起きている変化について、米Adobe Systemsのモバイル・デバイスビジネスユニット モバイル&デバイス部門担当ディレクター、アヌープ・ムラーカ氏に話を聞いた。

Flash Lite 2.0は、1.1では不可能だったコンテンツが作成可能に

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ITmedia Flash Lite 2.0に搭載されている機能で、Flash Lite 1.1にはなかった機能はどういったものがありますか?

アヌープ・ムラーカ氏(以下ムラーカ氏) Flash Lite 2.0では、Flash Lite 1.1では難しかった、端末が持つ機能により深くアクセスできる機能を備えました。例えば端末のユーザーインタフェース(UI)をデザインする際、ネイティブアプリケーションにアクセスできなくてはメニュー画面などの作成は難しいですが、Flash Lite 2.0ならそれが可能です。メニュー画面のメールアイコンに未読メールの数を表示したりといった細かな作り込みにも対応しています。また、ゲームを作る際などに便利はデータの保存機能も提供しました。設定やハイスコア、ユーザー名などの情報を端末に保存できるようになっています。

ITmedia Flash Lite 2.0向けに作られたFlashコンテンツは、Flash Lite 1.1を搭載した従来の端末で見た場合どうなるのでしょうか

ムラーカ氏 表示されるかどうかはコンテンツによります。シンプルなアニメーションであれば、Flash Lite 1.1でも再生可能な場合があります。しかし、複雑なグラフィックやActionScriptを使っている場合は互換性がありません。今後Flash Liteコンテンツを作成するうえで、できるだけコンテンツに互換性を持たせていくことは重要です。もちろん、Flash Lite 2.0や2.1であれ、ばFlash Lite 1.0、1.1向けのコンテンツを見ることは可能です。

ITmedia 今、Flash Lite 2.0とFlash Lite 2.1というお話が出ましたが、バージョン2.0と2.1ではさらに何か違いがあるのですか?

ムラーカ氏 Flash Lite 2.1というのはFlash Liteの最新バージョンになります。これはマイナーリリースで、インラインテキストインプットのサポートが新しい機能として加わっています。また、一部の端末メーカーやキャリア向けのフィーチャーも用意しています。

ITmedia 10月11日、米Adobe Systemsが仏Actimagineのベクトルグラフィック技術を採用したという発表がありましたが(10月12日の記事参照)、これは従来のFlashで使われていたベクトルグラフィックとは違うのでしょうか?

ムラーカ氏 Actimagineのベクトルグラフィック技術は、Flashのベクトルグラフィックと似たような技術です。しかし、この技術には面白い特徴があります。それはローエンドの端末上でもコンテンツを処理する独特の機能を持っているという点です。現在のFlash Liteには、まだこの新しく取得した技術は反映されていません。今後我々が手がける新しい技術、そして新しい製品の中で活用していく予定です。

 Flash Liteはすばらしいユーザー体験が生み出せる技術だと自負していますが、まだハイエンドからローエンドまで、すべてのレンジの端末に搭載できる訳ではありません。ビットマップのレンダリング方法がいろいろあるように、ベクトルグラフィックのレンダリング方法にもいろいろなものがあります。我々は、ローエンド端末向けのFlash Liteを含めた多くの課題に対応できるような、一番ベストな技術を使っていこうという姿勢を持っています。Actimagineの技術を取得したのはその一環です。

ITmedia Actimagineのベクトルグラフィック技術が採用された新しいFlash Liteコンテンツを、現行バージョンのFlashのオーサリングツールを使って作ることは可能ですか?

ムラーカ氏 このベクトルグラフィックの技術を反映したFlash LiteまたはFlash Playerをリリースする際には、オーサリングツールの方もおそらくアップデートすることになります。

ITmedia Flash Lite上で再生できる動画については「端末がサポートしている動画が再生できる」というお話でしたが、これはつまりFlash Liteで3GPPや3GPP2なども再生できるという解釈で間違いありませんか。

ムラーカ氏 動画の再生も端末の能力に依存します。たとえば3GPPファイルを再生できる端末であれば、ネイティブコーデックを使ってFlashと動画を統合することができます。統合をすることで、他のメディアプレイヤー、ビデオテクノロジーの周りにFlashのスキン、またはアプリケーションを作ることができるということになります。

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[原一浩(FXB),ITmedia]

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