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インタビュー

Nokia World 2006:

Nseries、「次のキラーアプリはGPS」──Nokiaのライスキネン氏

端末の高速化が進み、コンピュータ的な使い方が求められるようになっている携帯電話。“マルチメディアコンピュータ”をコンセプトとするNokiaのNseriesは今後、どんなアプローチで端末を開発するのか。Nokiaのライスキネン上席副社長に聞いた。
2006年12月04日 15時18分 更新
Photo Nokia マルチメディア事業部、マルチメディア・エクスペリエンスで上席副社長を務めるイルッカ・ライスキネン氏

 日本でも「N71」ベースの「804NK」「N73」ベースの「705NK」が登場しているNokiaの「Nseries」。Nokiaが携帯電話の域を超えた“マルチメディアコンピュータ”と位置付ける同シリーズは、1年前のブランド立ち上げ以来(2005年5月の記事参照)、数々のヒット端末を生んできた。

 3G化、3.5G化が進み、携帯にさらなるコンピュータ的な機能が求められるようになる中、NokiaのNseriesは今後、どんな機能を軸に、どんなアプローチで端末を開発するのか。同社マルチメディア事業部、マルチメディア・エクスペリエンスで上席副社長を務めるイルッカ・ライスキネン氏に話を聞いた。

カメラ、音楽、ビデオの次はGPS

ITmedia マルチメディアコンピュータ市場の規模と、その中におけるNokiaのシェアを教えてください。

ライスキネン氏 マルチメディアコンピュータで、Nokiaは新しいカテゴリを作ろうとしています。マルチメディアとは、写真や動画を撮ったり、音楽を聴いたり、インターネットに接続したりする機能を備える端末を意味し、コンピュータとはアプリケーションをダウンロードするなどして機能を追加できることを意味します。つまり、最初に買ったときの状態から次々と機能を拡張できる端末というわけです。

 新しいコンセプトなので、メッセージを正確に伝えるためにマーケティングを重視し、Nseriesというブランドを立ち上げました。

 Nokiaがマルチメディアコンピュータでターゲットとしているのは、ハイエンドな機能を先取りする層とスタイル面のリーダーとなる層です。ざっくりみて、世界約2億人の市場規模があると見ています。この市場では携帯電話メーカーのほかに、家電メーカーも製品を提供しており、Nokiaは50%以上のシェアを取っていると概算しています。

ITmedia カメラ、音楽、ビデオとトレンドが推移してきましたが、次の注目機能は何ですか?

ライスキネン氏 GPS、ナビゲーションです。

 Nokiaは先日、2007年第1四半期に出荷予定の「Nokia N95」という最新のNseries端末を発表しました。N95の特徴はGPSの内蔵です。ユーザーは地図情報を見たり、地図上で自分の位置を認識したり、目的地までのナビゲーションを利用したりできます。さらに、シティガイドをダウンロードしたり、音声によるナビゲーションを利用するなどといった追加サービスも提供します。このような基本的な機能に加え、“人やモノを探す”といったことにも利用されると見ています。

 Nokiaが行った調査では、50%が携帯電話で地図やGPSを利用したいと回答しており、潜在ニーズはあると見ています。

ITmedia GPS専用端末との違いは?

ライスキネン氏 インターネットに接続できる点です。常に最新の情報が得られ、必要な地図だけをダウンロードできます。また、イエローページ情報を提供するプロバイダとの提携により最新の地域情報も取得できます。この点が、ナビゲーション専用端末との差別化ポイントになります。

 Google Mapsなどのインターネットベースの地図サービスとの違いは、GPSです。携帯電話なので、持ち歩くことができ、その場で自分の位置情報が分かります。

ITmedia 地図アプリケーションにおけるビジネスモデルはどうなりますか?

ライスキネン氏 地図、ナビゲーションの基本的機能は無料で提供します。そして、音声ナビゲーション、シティガイドなどのコンテンツを有料で提供します。シティガイドでは、Berlitzなどのコンテンツ企業と提携し、売上げを分けます。これら有料サービスの価格はまだ未定です。

ITmedia 携帯電話からインターネットにアクセスする時代が到来しつつありますが、Nokiaの戦略は?

ライスキネン氏 すでにNseries端末上でさまざまなWeb 2.0アプリケーションを利用できます。課題は、マーケティングだと認識しています。ユーザーに何ができるのかを明確に伝え、単なる携帯電話ではないということを知ってもらうことが必要です。

 もう1つがアプリケーションで、Nokiaはプラットフォームを提供します。開発者にNseriesはWeb 2.0の端末になる機能があることを知ってもらい、アプリケーションの開発を促進する戦略です。

 この分野では既にYahoo!やFlickrなどと提携しており、今後もインターネット企業と提携し、コラボレーションしていきます(11月30日の記事参照)

2007年半ば、Nseriesはゲーム端末になる

Photo 「Nokia N93」上でN-Gage画面をプレビュー

ITmedia Nseries上での「N-Gage」(ゲーム)のサポートについて、計画を教えてください。

ライスキネン氏 「N-Gage」で学んだことを生かしてN-GageプラットフォームをS60に取り入れていきます。基本的には複数のプレーヤーが参加できるプラットフォーム技術「N-Gage Arena」を、Nseriesを初めとしたS60デバイスで利用できるようにしていきます。

 これに向けて米Electronic Artsなどと提携し、Nseries向けにゲームを提供することになっています。ゲーム開発者やパブリッシャーにソフトウェア開発キットの提供を開始しており、正式なローンチは2007年の中ごろを予定しています。

 ゲームの検索や購入、アクセス、他のプレイヤーのオンライン状況の確認機能など包括的なアプリケーションとなる予定で、エコシステム全体を強化していきます。N-Gageのローンチ当初と比べると、ネットワークの速度は速くなり、ユーザーもコミュニティの要素を求めるようになるなど、環境が変わってきました。これは、当初からN-Gage Arenaが提供しているものでもあります。

[末岡洋子,ITmedia]

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