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Interview:
キーワードは“地域密着”。ICい〜カードの1年を振り返る――伊予鉄道 (2/3)
平均50%以上、通勤通学時は90%以上の利用率
普及がスムーズだっただけでなく、ICい〜カードは利用率も高い。
「平成16年度、ICい〜カードを導入する前の電車・バスの輸送実績が1日平均7万2000人です。現在のICい〜カードの輸送実績が1日平均3万6千人。ですから、電車・バス利用者の50%以上がICい〜カードをご利用いただいています。さらに時間帯別で見ますと、通勤通学時の利用は(利用率)90%を超えて、100%に近い状況になっています。日常的に公共交通をご利用いただくお客様には、ほぼ浸透したのかな、と思っています」(西野氏)
これだけ急速に利用率が向上した背景には、磁気式カードからの切り替えを素早くおこなったという理由もある。伊予鉄では昨年8月のICい〜カード導入後、11月に磁気式カードの利用を停止している。ICい〜カードは通常運賃から10%の割引を行っており、定期券サービスも導入するなど、従来の定期券や回数券、プリペイドカードからの切り替えがスムーズに行えるように腐心されている。磁気式カードから速やかな移行ができたことが、すばやい普及と利用率向上に貢献した。
「現在、ICい〜カード定期券の利用者が8000人程度。残りがプリペイドとポストペイです。他社との提携カードですと、JAL(日本航空)のマイレージバンクと連携したJMB伊予鉄い〜カードが約1万3000枚ほどになります。(おサイフケータイの)モバイルICい〜カード利用者は約5500人で、ここはもう少し伸びてほしいですね。今回の電子マネー対応や、近日中に行うオンラインチャージ機能が実装されれば、モバイルICい〜カードユーザーも伸びるのではないかと期待しています」(西野氏)
またICい〜カードでもう1つ注目なのが、利用者の80%がカード購入時に個人情報を登録する「記名式」を選択している点だ。
「記名式のICい〜カードは紛失時に再発行が可能なことと、記名式はデポジットの500円を取っていないことが、記名式が選択される大きな要因になっています。特に紛失時の再発行ニーズは高いですね。我々はサービス開始から約1年ですが、すでに紛失・再発行の届け出は1000件を超えています。
また記名式の場合、お客様の利用者属性が取れますから、今後の電子マネー展開でCRMを行う上でも重要なポイントになりますね」(西野氏)
物販向け電子マネーへの期待
9月1日、ICい〜カードとモバイルICい〜カードは、伊予鉄グループの指定店舗43ヶ所から物販や飲食店の支払いで利用できるようになった。いよいよ本格的な「電子マネー」に乗り出すが、その狙いはどこにあるのだろうか。
「サービス開始から1年は公共交通分野での普及を推進してきましたが、ICい〜カードで約10万枚、ローズカードで約16万枚の顧客基盤ができました。それをサービス基盤にするのが電子マネーの狙いです。
その第一ステップが、今回の伊予鉄グループでの対応です。駅のコンビニやグループ内のレストランでICい〜カードに対応し、公共交通系の電子マネーが利用できる利便性を提供します。その次のステップが、グループ外の駅近くの店舗への展開です」(西野氏)
伊予鉄グループ外への展開は準備中だが、「今年内の早いタイミングで実現できる」(西野氏)という。その背景には、伊予鉄グループ外の店舗・ナショナルチェーンの導入意欲や期待が高いことがある。
「(伊予鉄道の)沿線人口が約65万人のなかで、ICい〜カードはローズカードも含めて約26万枚が発行されている。この地域の普及率で考えると、そのシェアはかなり高いので、電子マネーの利用率も期待できます。すでに多くの外部企業から提携のお話をいただくなど、関心を持っていただいています」(西野氏)
JR東日本のSuicaもそうであるが、公共交通系電子マネーのポイントは、発行枚数の絶対数ではなく、沿線人口に対する保有率と利用率だ。その点で伊予鉄のICい〜カードは、わずか1年でSuicaに匹敵する保有率と利用率を築いている。今後の電子マネー展開もスムーズに進展する可能性が高い。
[神尾寿,ITmedia]
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