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草の根で“マイルが貯まる個人商店”を作れ――Edy NAVI(後編) (1/3)

電子マネー「Edy」の話題が満載のフリーマガジン「Edy NAVI」。発行元のジャパンエリアコードTVにとって、雑誌発行と並んで重要なのが、Edy加盟店の開拓だ。“町の個人商店”がなぜEdyを導入するのか、その理由を聞いてみた。
2006年09月14日 00時15分 更新

 愛知・三重・岐阜・静岡の4県で配布されている、Edy専門のフリーマガジン「Edy NAVI」。Edyが使えるお店や、Edy/おサイフケータイで受けられるおトクな情報を掲載するなど、ユーザーにEdyに関する情報を伝え・啓蒙する内容になっていることは、前編で述べた通りだ。

 後編では、Edy NAVIを発行・配布しているジャパンエリアコードTVのもう1つのミッションである、加盟店開拓について紹介しよう。引き続き、Edy NAVI編集長の石川正雄氏に話を聞いていく。

ay_edy01.jpg 東海4県で無料配布されているEdy NAVI。左が創刊号
ay_navi01.jpg ジャパンエリアコードTVコンテンツ事業局局長の石川正雄氏(右)とマーケティング局ビジネスソリューション部主査の長田良平氏(左)

個人商店と全日空をEdyでつなぐ

photo 栄キタの東急ハンズには、Edyチャージャーと一緒にEdy NAVIの最新号が置かれている。Edyをチャージしにきた客の目に必ず留まる場所だ

 前編でも述べたように、名古屋では「大須商店街全体」「栄キタの地下街全体」など、Edy加盟店が“点”ではなく“面”で展開しているのが特徴だ。

 2005年7月、名古屋の大須商店街は商店街全体でEdyを導入した(2005年6月15日の記事参照)。商店街には約170軒もの個人商店があり、1店1店交渉にあたったのがジャパンエリアコードTVだった。「Edyを入れることが販促につながり、そして話題作りになるとお話ししました。その結果、『大須を盛り上げる一環としてEdyを導入しましょう』ということになり、地域全体で一体となってEdyを導入することになったのです」(石川氏)

 加盟店開拓は、Edyの運営母体であるビットワレットも手がけているが、両者がぶつかることはないという。ビットワレットが大手チェーンを中心に開拓しているのに対して、ジャパンエリアコードTVは個人商店を中心に、より小規模な店舗を回っているためだ。

 個人商店の側から見て、Edyを入れるメリットは何だろうか。電子マネーを扱えば、売上の中から手数料をビットワレットに支払わなくてはならない。Edy NAVIに掲載されることで“販促”“話題作り”にはなるとしても、それだけでは導入を踏み切れない店舗もあるのではないか。

 「お話を聞いてみると、個人商店さん同士の横の繋がりというのは意外となく、企業同士というのはつながりにくいそうなのです。さらに、個人商店と大企業となれば、もっと接点がないのが普通です。しかし、ポイントプログラムと相性のいいEdyを入れることで、街中の小さなお店が『ANAのマイレージがたまるお店』になれる。ANAと擬似的なアライアンスを組んでいる状態になるわけです。こういうのはEdyならではの面白いところだと思います」(石川氏)

 独自のポイントシステムやキャンペーンを作るより、ANAやドコモの作った仕組みに乗ってしまおう、と考える経営者もいる。例えばレストランチェーン「ステーキのあさくま」では、ジャパンエリアコードTVの勧めに従い、あさくまの会員になるには「ANAマイレージクラブ」(AMC)を申し込むという形を取ることにした。店舗の全テーブルにAMCカードの申し込み書を置き、AMCをPR。あさくまでAMCカードを申し込んだユーザーのAMCカードの番号を控え、あさくま会員とした。その結果、会員数は順調に増え、また「ドコモのおサイフケータイで払うと20%オフ」「ダブルマイルキャンペーン」といったドコモやANAのキャンペーンに相乗りしたり、便乗して紹介してもらったりすることができたのだ。

 ジャパンエリアコードTVが手がけた加盟店の中で「特に印象深い」と石川氏が振り返るのが、全店でEdyを導入した居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」である。「山ちゃんのケースでは、Edyを導入すると決まるまで、半年かかりました。最初、店舗のうち売上が苦戦している5店舗にだけ入れ、2ヵ月様子を見てEdyの効果を測った結果、(効果があると判断して)導入が決まったようです。実はEdyともう1つ、他のFeliCa決済方式も入れてみたのですが、そちらは2ヵ月間で1回しか使われなかった。そこで『Edyを入れよう』ということになったそうです」

 山ちゃんは“名古屋の味”として人気の手羽先専門店だ。最近は東京・札幌などにも出店しているが、名古屋店はやはり「本場の味」ということで、出張帰りのサラリーマン客も多い。出張客には“ANAのマイルが貯まる”というEdyのメリットは強くアピールする。実際、数人分の飲食費をEdyでまとめ払いし、マイルを貯めていると覚しきケースも目立つそうだ。

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[吉岡綾乃,ITmedia]

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