一方、いよてつ高島屋は、飲食店など一部店舗でICい〜カードの電子マネーに対応している。いよてつ高島屋は、独自のショッピングクレジットカード「ローズカード(IC機能付き)」を発行して、ポストペイ型のサービスを提供している。ローズカードの発行枚数は現在約16万枚であり、電子マネーのサービスは、これらの優良顧客に対して利便性向上を提供する目的もある。
また、ローズカードはポストペイなので、残金を気にせず、ショッピングや飲食で利用できるのもポイントだ。その使い勝手は、電子マネーよりもFeliCaクレジットに近い。特に飲食店街などでは便利そうである。
ICい〜カードの電子マネー展開は、松山市駅を中心に進んでいるが、少し離れたところでは松山空港でも一部店舗で導入されている。こちらも、まずは伊予鉄グループ内からということで、自社のおみやげ物屋とレストランからだ。
周知のとおり、全国の空港は全日空や日本航空の肝煎りでビットワレットの「Edy」やJR東日本の「Suica電子マネー」の採用が進んでいる。伊予鉄グループのショップも例外ではなく、Edyのリーダー/ライターが設置されていた。
さて、ここまでで気付かれたと思うが、各店舗のリーダー/ライターはデンソー製のハンディターミナルで整備されている。伊予鉄がタクシーで使っていたものを店舗向けに流用したのだ。将来的に駅コンビニや飲食店などは「(運用速度を向上させるために)POSレジ連動の据え置き型リーダー/ライターを検討している」(eカード企画営業課長の伊賀上泰伸氏)とのことだが、その際は他の電子マネーやFeliCaクレジットの共用化も検討しなければならないだろう。FeliCaを使った電子マネーやクレジット決済はリーダー/ライターの共用化をめぐって合従連衡の模索中だが、そのような混沌に地域密着の電子マネーが巻き込まれないためにも、当面はタクシーで使うハンディターミナルを流用して様子見するというのは、よいアイディアかもしれない。
ICい〜カードの大きなトピックスは、駅ナカ・駅ウエ、そして街ナカへの電子マネー機能の展開であるが、公共交通事業でのICい〜カード整備もこの1年で着実に進んでいた。
その象徴ともいえるのが、松山市駅の改札口にあるICい〜カード改札機だ。昨年は2台だったICい〜カード改札機が今年は3台に増設され、従来型の自動改札機は減らされていた。ICい〜カードの利用客は着実に増えている。さらに券売機近くにはおサイフケータイ対応の自動チャージ機が設置されており、ユーザーがチャージする光景も自然だ。
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