KDDI、au秋モデルにQUICPayをプリセット

» 2006年08月23日 15時19分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 8月23日、KDDIがこの秋以降発売するau端末に、ジェーシービーが開発した非接触ICクレジット決済「QUICPay」(2月2日の記事参照)を搭載する、と一部新聞が報じた。

 KDDIでは近日発表予定の秋モデルにQUICPayアプリをプリセットすることを認めている。「QUICPay用アプリをプリセットすることは事実だが、今回新たに、このためにジェーシービーと提携したということではない。ジェーシービーが中核となって進めているQUICPayを、au端末で利用しやすいようにプリセットするというだけ」(広報部)

 QUICPayは、ジェーシービーが開発した、FeliCaを利用したクレジット決済システムで、FeliCaチップを内蔵したプラスチックカードと、おサイフケータイ向けアプリの両方が提供されている。QUICPayアプリは、ドコモ、au、ボーダフォンの3キャリアで利用可能だ。QUICPayを利用するにはJCBカードなど対応するクレジットカードのユーザーであることが必要。“クレジットカードの子カード”という位置付けで、親カードと利用金額を合算して請求される。

 KDDIは5月29日に、独自ポイントである「KDDIマネー」に対応したクレジットカード「KDDI THE CARD」を発表、6月1日から発行している(5月29日の記事参照)。KDDI THE CARDはJCB/VISA/MasterCardの国際ブランド機能が付いており、QUICPayの親カードとして利用できるほか、JCBカードについてはQUICPay機能を内蔵した一体化カードも選択できるようになっていた。5月の時点では「au携帯電話にQUICPayをプリセットするかどうかは未定」としていたが、秋モデル以降は一歩踏み込む形だ。

 現在FeliCa内蔵携帯電話で利用できるクレジット決済システムには、QUICPayのほか、NTTドコモと三井住友カードが進める「iD」(11月8日の記事参照)、UFJニコスが開発した「スマートプラス」の仕様をベースに、ビザ・インターナショナルが普及を進める「VISA TOUCH」(6月12日の記事参照)の3方式がある。このうち、iDはドコモのおサイフケータイでしか利用できないが、QUICPayとVISA TOUCH(スマートプラス)の2方式はドコモ・au・ボーダフォンの3キャリア向けにアプリが配布されている。KDDIではQUICPayはプリセットするが、「スマートプラスに対しては従来通り、EZ FeliCaのメニューの中からダウンロードできる1アプリとして対応していく」(広報部)とコメントしている。

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