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インタビュー

Interview:

iD、QUICPayは競合ではない――UFJニコス(後編) (1/2)

とかく「三つ巴」といったとらえ方をされることが多いiD、QUICPay、スマートプラスだが、UFJニコスでは「他の2方式と競合するものではない」と説明する。インタビュー最終回では、iDを進めるドコモ、モバイル決済推進協議会の中心的存在であるJCBとの関係・違いについて聞いていく。
2006年08月02日 15時58分 更新

 FeliCaを利用したクレジット決済というと、スマートプラスの他にも、ドコモ&三井住友カードが進める「iD」、JCBが進める「QUICPay」がある。

 スマートプラスは、iDや、QUICPayとどこが違うのか。引き続き、UFJニコスIT事業部部長の鳴川竜介氏に聞いていこう。

ay_ufj001.jpg UFJニコスIT事業部部長の鳴川竜介氏

 →インタビュー前編:スマートプラスは人間向けのETCを目指す

 →インタビュー中編:加盟店にとって、スマートプラス導入のメリットとは

スマートプラスは「選択と集中」

 スマートプラスとiD、QUICPayの3つはしばしば競合関係にあるとして取り上げられるが、鳴川氏はこれに対して「競合ではない」と説明する。

 スマートプラスが、iDやQUICPayと異なる点として鳴川氏が強調するのは「スマートプラスは技術仕様であり、ビジネスオーナーがいない」というところだ。iDはドコモが、QUICPayはJCBがビジネスオーナーもしくは中心的存在であるのに対し、スマートプラスは単なる技術仕様で、無償公開しているものだ。スマートプラスを利用したいカード会社は、UFJニコスに使用料を払うことなく、自由に使うことができる。「もともと狙っていたマーケットも異なる。われわれは高速処理が必要な業態に導入することが最大の開発理由で、非接触決済で誰かと競合するために作ったわけではない」(鳴川氏)

 「FeliCaチップもリーダー/ライターも高コストなので、少しでもコストが下がってほしいという気持ちが強い。数が増えて、コストが下がっていかなくては、コスト倒れしてしまう。そのためにもオープン市場でやってきた。もともと、“スマートプラス”という名前を押し出して勝負しようとは思っていなかったので、VISAが(スマートプラスの仕様を)採用してくれたことは、望んだ結果になったと思っている」(鳴川氏)

 どのような基準でスマートプラスを導入する店舗を選択するかについては、インタビュー中編で触れた通りだが、スマートプラスを積極導入しない例として、高額な商品を扱う業態が挙がるところは、家電量販店を重視し、質量作戦で加盟店を増やそうとしていくiD陣営とは対照的だ。ドコモ+三井住友カードと、UFJニコスとの考え方の違いが現れていて興味深い部分である。

 「iDは拡大路線で、スマートプラスは選択と集中だと思う。路線が違うということ。導入した店舗数をすぐに聞かれるのだが、粛々と進めているので、これから数ヶ月間見ていてほしい。我々が導入してもらいたい業態にはきちんと導入されていることをわかっていただけると思う」

 ドコモがイシュアとなって展開するDCMX miniについての見解も聞いてみた。「着うたなどと同じ、(通信の上に乗る)サービスの一環として見ているのではないだろうか。与信1万円の人に対して、利用履歴のデータベースを持ち、未収があったら回収して……というのは、クレジットカード会社としては無理なビジネス。ある意味ドコモさんだからできるサービスで、我々ができるサービスの形態ではない。しかし、あれだけ簡単にクレジットカードを申し込めるのは見習う必要があると思う」

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[吉岡綾乃,ITmedia]

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