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Suicaポスターにピッ!してきました

ポスターの横に設置されたリーダーにSuicaをかざすと、商品の詳しい情報に携帯でアクセスできる――JR新宿駅に8月6日まで設置されている「SuiPo」を試してみた。
2006年08月01日 23時17分 更新

 7月31日から8月6日まで、JR新宿駅に設置されているSuicaを利用したポスターが「SuiPo」だ(7月27日の記事参照)。JR新宿駅に行って、実際にSuiPoを体験してきた。

 Suicaを利用したポスターはSuiPoが初めてではない。浜田省吾さんの音楽CDを予約できるポスター(2005年6月13日の記事参照)や、JR上野駅で実験されていた2タイプなどの例がある。

 SuiPoの狙いは、Suicaを利用して、キャンペーン情報やクーポンなどを携帯電話に配信することにある。モバイルSuicaにも対応しており、カードタイプのSuicaを使うよりも簡単だ。

photo 新宿駅の北通路ではSuiPo用に、B0ポスター10枚サイズが2枠用意されている。かなり大きい
photo SuiPoのSuicaリーダーは2枚のポスターの間に設置してあり、上のSuicaリーダーは左のポスター、下のSuicaリーダーは右のポスターにアクセスするためのもの

まずはユーザー登録

 SuiPoを利用するには、まず自分の携帯をSuiPoのシステムに登録しなくてはならない。新宿駅のコンコースにある登録機のSuicaリーダーに、モバイルSuicaまたはカードのSuicaをかざして登録する。

 モバイルSuicaであれば、登録機のタッチパネルでドコモかauかを選び、作成される空メールを送るだけだ。数十秒で携帯にメールが届くので、メールに書かれたURLにアクセス。パスワードを決めて入力し、性別と年齢を入力すれば終了する。登録が完了するとお知らせメールが届き、SuiPoを利用できるようになる。

 カードタイプのSuicaの場合は、登録機のリーダーにSuicaをかざしたあと、画面に表示されるQRコードを携帯で読み取る。あとはモバイルSuicaと同じように、表示されたURLにアクセスしてパスワード、性別、年齢を入力すれば終了。お知らせメールが届いたら、SuiPoを利用できる。

 ポイントは、Suica(FeliCaチップ)と携帯(メールアドレス)をどう紐付けるか。カード+携帯の場合はURLを表示させるためにQRコードを読むというワンクッションが必要だが、携帯とFeliCaチップが一体化しているモバイルSuicaの場合、Suicaリーダーが直接携帯に働きかけてURLを表示させることができる(コンビネーション起動)。カードタイプとモバイルSuicaで差が出てくる部分はここだ。

photo SuiPoの登録機(左)。モバイルSuicaの場合、Suicaリーダーに携帯をかざしただけで携帯にURLが表示される(中)。登録サイトでは、パスワード、性別、年齢を入力する(右)

使い方は本当にSuicaを“かざすだけ”

photo アルプス広場に設置されている、SuiPo miniを利用したルーレット。Suicaをかざすだけで引ける

 ユーザー登録が済めば、あとはポスターの横にあるSuicaリーダーにモバイルSuicaかSuicaをかざすだけだ。ピッと読み取り音がすれば終了。しばらくすると、登録した携帯宛てにメールが送られてくる。メールにはURLが書いてあり、そのURLにアクセスすればポスターの内容に関連したキャンペーンサイトに飛べる。リーダーは上下に2つ付いており、上と下とで異なる内容になっている。

 実際に使ってみたところ、読み取りに少々時間がかかるのに気付かず、読み取る前に離してしまい、最初の1回は読み取れていなかった。見ているとほかにも同じ失敗をしている人がいて、「読み取ったはずなのに反応しない」と首をひねっている人を数人見かけた。

 とはいえ、リーダーがあると人はSuicaをかざしてみたくなるものらしい。面白そうだから、と何をしているか知らずに試しにSuicaをかざしている人がたくさんいた。今回はポスターの近くに係員がいて、通りすがりにSuicaをかざしている人に対しては「そこで登録できます」と案内しており、登録機の前には常に数人の人が並んでいる状態だった。

 なお、SuiPoと登録機は新宿駅の北通路にあるが、すぐ近くのアルプス広場でも、Suicaを利用した広告が行われている。アルプス広場には移動可能な「SuiPo mini」が置かれており、Suicaをかざすとルーレットが引けるようになっている。こちらは登録不要だ。

目指すところは分かるけれど……

 冒頭に書いたように、SuiPoのポイントはSuicaと携帯(メールアドレス)を紐付けられる点にある。広告主は一度SuiPoを見た人に対し、その後もメールによるアプローチが可能になる。例えば今回松下電器のドライヤーをSuiPoで見た人に対して、キャンペーン告知や関連製品についてのお知らせをメールで送る、という活用の仕方をするのだろう。メールアドレスと同時に年齢や性別も登録するので、ターゲットを絞った広告もできるわけだ。

 ただ、仕組みそのものが広告を出す側の論理で考えられている点が気になった。使う側の立場になってみると、「広告を見るために、わざわざユーザーが手間と時間をかけて携帯を登録してくれるだろうか?」という点で疑問が残るのだ。登録の手間も、モバイルSuicaならQRコードが不要なので簡単とは言っても、「空メールを送る」というプロセスだけで挫折してしまう人も少なくないのではないか。

 SuiPo miniを使ったルーレットのように、登録不要でかざすだけのものならいいが、今のSuiPoの仕組みでは、「広告を見るためにそんな面倒なことはしたくない」と断られてしまうのでは……。SuiPoは面白い仕掛けだと思ったが、そんな心配をしてしまった。

[吉岡綾乃,ITmedia]

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