「番号ポータビリティに特効薬はない」──株主総会でドコモ中村社長(2/2 ページ)

» 2006年06月20日 19時20分 公開
[園部修,ITmedia]
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おサイフケータイが使える場所は今年度中に5倍に

 ある株主からは「おサイフケータイをせっかく買ったのに、使える場所が少ない。増やすような努力はしているのか」という質問も出た。

 これに対し常務執行役員プロダクト&サービス本部長の辻村清行氏は「ドコモだけで解決できる問題ではないが、コンビニやスーパー、JRなどと協力して読み取り装置(リーダー/ライター)の設置を進めてもらっている。現在全国でおよそ3万台のリーダー/ライターが設置されており、今年度中には5倍の15万台くらいになる予定だ。また、設置を確約してもらっているところが台数ベースで30万台あり、早晩拠点は今の10倍くらいになると考えている」と速いペースで設置場所を広げていることを説明した。

 すでに展開が進んでいるEdyやSuicaに加えて、ローソン(3月28日の記事参照))やファミリーマート(2月27日の記事参照)では来年度中に全店舗にiDのリーダー/ライターを設置すると発表しており、イオンも7月からiDの導入を開始する(3月27日の記事参照)。私鉄や地下鉄ではまだ利用できないが、2007年3月からはモバイルSuicaとも相互乗り入れするIC乗車券「PASMO」を導入予定(2005年12月21日の記事参照)で、「身の回りでもおサイフケータイユーザーが増えるはず」(辻村氏)と話した。

 なおDCMXによるクレジット事業では、3年から5年先の目標として、会員数1000万人、年間で500億円から1000億円程度の収入を目指すとした。

「カメラのシャッター音を消せるようにしてほしい」

 そのほかにもいくつか株主兼ドコモユーザーとしての質問や意見もあった。

 ある株主は「盗撮などの犯罪を抑止するために携帯のシャッター音が大きく鳴るようにしているというが、写真を撮るのは一般的な行為で、静かなところで写真を撮りたいときなどはシャッター音がうるさい。なんとか消せるようにならないか」と問った。

 辻村氏は「カメラのシャッター音の件はドコモとしても苦渋の決断をしている。カメラを盗撮という不適切な目的のために使う人がいる以上、多くの方々の安心や安全のためにシャッター音を消せないようにしているのはやむを得ないことだと考えている」と答え、端末開発にユーザーの意見や批判は取り入れているものの、シャッター音を消すことは難しいとした。

 またCMなどで起用するタレントについても厳しい意見が出た。「KDDIは仲間由紀恵を前面に押し出しインパクトのある広告を展開している。ドコモも仲間由紀恵以上に知識と庶民性とユーモアを兼ね備えたインパクトのあるタレントを起用すべきだ。ドコモダケはインパクトがあるが、タレントは今ひとつではないか」というのだ。

 常務執行役員営業本部長の坂本隆司氏はこの問いに「どのタレントを起用するのかは非常に難しい問題」と答えた。「タレントを起用したイメージアップはわかりやすく大切なことなので、できるだけ幅広い層に人気がある人を起用するようにしている。あらゆる世代に幅広く受け入れられるよう、宮里藍や加藤あいなども起用している。ただ、最近は若い人たちが持つドコモのイメージが弱いため、KAT-TUNの亀梨和也や赤西仁らによってアピールをしている。今後も幅広いユーザーに支持されるタレントを探していきたい」

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