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神尾寿の時事日想:

「P902iS ME」はBluetoothケータイのお手本

ドコモの夏モデルの中で筆者が購入したのは、「P902iS」にBluetoothイヤフォンを組み合わせた「P902iS ミュージックエディション」。使ってみて“Bluetoothケータイ”としての出来のよさに感心している。
2006年06月13日 16時57分 更新

 6月7日、ドコモのP902iSが店頭に並んだ(6月5日の記事参照)。パナソニックモバイルコミュニケーションズ製のモデルでは、マイナーチェンジ前のP902iからBluetooth機能を搭載している。ドコモとパナソニックでは、Bluetooth機能を主に「ワイヤレスミュージック」の分野で訴求しているが、そこは売れ筋モデルである“ドコモのP”のこと。テレマティクスやハンズフリーフォンのニーズで携帯電話とカーナビのBluetooth接続に熱心な自動車業界や、ヘッドセットなどBluetooth機器メーカーからの注目度は高い。

 筆者は先代P902iのユーザーであるが、記者発表会から注目していたこともあり、P902iSも発売日に購入した。選んだのは、Bluetoothイヤフォン付きのME(ミュージック・エディション)モデルである。

ay_tokubetu.jpg P902iSのブラック×スモークブラックとプレミアムカスタムジャケット、ワイヤレスイヤフォンセットになっている「P902iS ME」

ペアリングと充電に使い勝手のよさ

 P902iS MEに付属するBluetoothイヤフォンは、「ワイヤレスイヤフォンセット P01」という名前で、製造元はパナソニックモバイルコミュニケーションズだが、NTTドコモの取扱商品になっている。“ドコモの純正品”という扱いだ。オーディオ機能だけでなく、ハンズフリー通話機能にも対応し、「Bluetoothで音楽を聴きながら、着信があればそのまま話す」ことができる。

 MEのパッケージでは、P902iSと付属のBluetoothイヤフォンは、ペアリング(初期登録)がすでに行われた状態で出荷されている。そのためユーザーは「買ってきてすぐに使える」のがポイントだ。Bluetooth関連の設定を行うメニューも、ショートカットアイコンがP902iSのデスクトップにあらかじめ用意されている(6月5日の記事参照)

 また、個人的に最も感心したのが、このBluetoothイヤフォンが“FOMA用の充電器がそのまま使える”ところである。Bluetoothヘッドフォンやヘッドセットの課題のひとつが、携帯電話とは別に充電が必要という点だが、これなら別々の充電器でコンセント周りが煩雑になることがない。さらに最近では充電器を持ち歩くユーザーが増えているが、充電器が共用できれば外出先でも携帯電話とBluetoothイヤフォンのどちらも充電できる。

 実は、携帯電話と充電器が共用できるBluetooth機器としては、ノキア製の「Nokia Wireless Boom Headset HS-4W」がある。こちらはノキア製携帯電話と同じ充電端子を備えるのだが、海外によく行く人にはおわかりのとおり、「ノキア向けの充電器」は国際空港や先進国主要都市なら間違いなく入手でき、汎用性が高い。筆者は以前からノキア製の携帯電話とHS-4Wの組み合わせも使っているが、充電器が共用できるのは便利だと感じていた。

 日本国内では、標準的なのはキャリアが採用する「標準ACアダプター」なので、ワイヤレスイヤフォンセット P01がそれを採用したのは使い勝手の点で評価できる。

キャリア純正品による利用促進に期待

 P902iS MEを使って強く感じたのは、日本でBluetoothの利用促進をするには、使いやすい“キャリア純正品”が必要だということだ。さらにオプションではなく、P902iS MEのようなペアリング済みのパッケージ化が望ましい。

 ドコモ以外のラインナップを見渡すと、auの「W44T」に音楽再生専用のBluetoothレシーバーが付属している。これはハンズフリー通話機能がないのが残念であるが、簡単に使えるBluetooth機器が同梱されているという点で評価できるだろう。

 このようにイヤフォンニーズの分野からBluetoothに対するキャリアの姿勢はやや前向きに変化してきている。その次のステップとしては、Bluetoothイヤフォンマイクやヘッドセットを使ったハンズフリー通話の訴求だろう。携帯電話がマルチタスク化する中で、通話時に携帯電話を“耳から離す”使い方の訴求は、ビジネス向けとコンシューマー向けの両方で取り組む価値がある。

 Bluetoothの活用は、日本が欧米市場よりも遅れている分野のひとつだ。しかし、ワイヤレスイヤフォンとしての活用、ハンズフリー通話、そしてPC連携などは、新たなサービスの実現やARPUの向上に貢献する。キャリアとメーカーの継続的な取り組み、ユーザーの利用促進に期待していきたい。

[神尾寿,ITmedia]

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