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ライバル登場はEdyの「追い風」――ビットワレットに聞く(前編) (1/2)

FeliCaを使った決済サービスが多様化する中、「そのおかげでユーザーが増えている」と話すビットワレット。おサイフケータイでEdyを使う人の数、オンラインチャージ利用者の割合など、“気になる最新データ”を聞いていく。
2006年05月29日 20時27分 更新

 FeliCaを使った決済サービスの古参であり、おサイフケータイの登場初期からプリインストールされてきた電子マネー「Edy」。モバイルSuicaの登場、iD/DCMXなどクレジット系の新たなFeliCa決済サービスが増える中で、Edyは着実な普及と領域の拡大を行ってきている。

 Edyを運営するビットワレットでは、FeliCa決済サービスの競争激化をどう見ているのか。インテルとの提携は、Edyにとってどのような意味を持つのか。昨年のインタビュー(前編後編)から約1年ぶりに、ビットワレット執行役員の宮沢和正氏に話を聞いた。

ay_edy01.jpg ビットワレット執行役員の宮沢和正氏

1カ月に100万人ずつEdyユーザーが増加中

 2006年5月時点のEdyの発行数は累計1790万。このうち、おサイフケータイでEdyの初期登録を済ませた利用者数は310万人だという。この数字はFeliCa決済サービスの中でも群を抜く規模であり(5月25日の記事参照)、おサイフケータイ利用者の数はFeliCa決済サービスの中でもトップだろう。

 「Edyのユーザー数は2005年と比較して倍増しています。昨年から今年にかけて、様々なFeliCa決済サービスが登場しましたが、(競合サービスで利用者数の伸びが鈍化することなく)返ってEdyユーザーは増えています。ライバルの登場はFeliCa決済市場そのものを活性化してくれる、我々にとって強い『追い風』です。今年4月の登録数では、1カ月で(カードとおサイフケータイあわせて)100万に達し、その勢いは継続しています。1カ月100万のアカウント増加が、最近のペースになっています」(宮沢氏)

 このEdyユーザー増加に対しては、おサイフケータイの貢献度も小さくない。現在の1カ月100万の利用者増加の内訳では、「約30万ほどが、おサイフケータイのEdyアプリからの登録。1日1万のペースで、おサイフケータイのEdyユーザーが増えている」(宮沢氏)という。

 おサイフケータイでEdyを使うには、プリインストールされているEdyアプリの初期登録を済ませなければならない。そのためおサイフケータイのユーザーは、「Edyを使いたい」という動機を持っていると考えられ、利用率の点で期待できる。おサイフケータイのEdyユーザーが1日1万人のペースで増加し、累計310万人が存在することは、カードも含めた全体のユーザー数増加よりも大きな意味を持つ。

 「おサイフケータイはチャージのハードルが低いですから、利用額が向上する傾向があります。現在、Edyユーザーの4割がオンラインチャージを利用しています。おサイフケータイならではの利便性が現れる部分ですね」(宮沢氏)

 これらユーザーの「量と質」における拡大は、Edyの利用率向上にも貢献しているという。

 「(利用者数だけでなく)利用率の伸びでも、めざましいものがある。業種別では、スーパーマーケットの伸びが大きく、非常によく使われています。利用率の高い店舗で平均利用率50%、大丸ピーコックでも30%に届いていると聞いています。全般的にスーパーマーケットの利用率は向上しています。また、am/pmやサークルK/サンクスなどのコンビニエンスストアでも、利用件数や利用額が毎月上がっています。ユーザーが増えていることもありますが、急成長している分野です。

 Edy全体の利用件数は、今年4月の単月で1250万件。スーパーやドラッグストアの対応が後押しする形で、Edy利用単価も上がってきています」(宮沢氏)

 利用者数の倍増と利用率の向上という両輪がバランスよく回り、加盟店も増加した。5月1日段階で、Edyが利用できる店舗は3万2000店。「最近は1カ月1000店舗のペースで増えていて、大型案件があれば数千店の加盟店増加という事もあります。コンスタントにEdy対応店舗は増えています」(宮沢氏)

 ライバルが登場し、以前のように「全国で使えるFeliCa決済はEdyだけ」という状況は崩れた。しかし、その状況はFeliCa決済市場の活性化という“追い風”になり、先行するEdyは、その風にうまく乗ることができたようだ。

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