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神尾寿の時事日想:

“ケータイでググる”の先に期待

KDDIとGoogleが提携、EZweb上でGoogleのエンジンを利用したキーワード検索を開始する。この試みは提携の“第一歩”。今後、2社が連携することでどのようなサービスが期待できるだろうか。
2006年05月19日 10時44分 更新

 5月18日、KDDIとGoogleがau携帯電話向けインターネットサービスの「EZweb」に、Googleの検索エンジンを採用することで合意した(5月18日の記事参照)。EZwebのトップページ上にGoogleの検索ウィンドウを表示。EZweb内とPCインターネット上の情報を横断的に検索、最適な情報を見つけだすものだ。WebサイトトランスコーダやPCサイトビューアー連携で見やすさに配慮するほか、キーワード広告(Google アドワーズ広告)にも対応するため、携帯電話向け広告ビジネスの観点からも注目の取り組みになる(5月18日の記事参照)

 記者会見で興味深かったのが、KDDI、Googleともに今回の新サービスについて、「提携の第一歩」と位置づけていたことだ(5月18日の記事参照)。明確には語られなかったが、ビジネスとサービスの両面で、今後さらなる連携サービスを投入する意気込みが両社から感じられた。

次の発展領域として「GPS」に期待

 KDDIとGoogleの連携サービスというと、次の可能性としてまっさきに考えられるのが、GPS機能の活用である。今回のGoogle検索機能はユーザーが入力したテキスト検索のみだが、au携帯電話が標準的に採用するGPS機能を使えば、位置情報を使った情報検索が可能になる。すでにGoogleモバイルでは住所や駅名を使った地域情報検索に対応しているため、GPSをトリガーにGoogleマップや施設情報を検索するサービスはすぐにでも実現できそうだ。

 昨年サンフランシスコで行われたITS世界会議(2004年10月27日の記事参照)では、GoogleとフォルクスワーゲンがGoogle Earthベースのカーナビゲーションを参考出展していた。auのGPS携帯電話とGoogle Earthの連携で、EZナビウォークやEZ助手席ナビの機能拡張が行われるというシナリオも面白い。

 さらに、将来的に画像認識の技術が向上すれば、GPSと携帯電話カメラを組み合わせて、カメラで「撮影した施設や風景情報を検索」するようなサービスも考えられる。GPSやカメラなど携帯電話が持つ各種センシングデバイスと、Googleの検索技術を組み合わせた先には、"リアルの情報まで網羅する"という大きな可能性がある。

UIの進歩にも期待したい

 一方で、もうひとつの領域として期待したいのが、携帯電話が「Googleを使いやすくする」というUI面でのシナジー効果だ。

 携帯電話のサービスでよく使われるフレーズが、「いつでも・どこでも・誰でも」であるが、前の2つは今回のKDDIとGoogle提携で実現した。次のステップとして、“誰でも使える”UIの進化も重要になるだろう。

 この分野で注目なのが、KDDIが音声認識技術の開発・進化を地道にやっていることだ。すでにEZナビウォークが「声 de 入力」という音声認識機能を搭載しており(1月12日の記事参照)、住所や電話番号、施設名検索など限られた範囲であるが、その認識率は実用に耐えるレベルに達してきている。KDDIが音声認識の技術的なノウハウを蓄積し、将来的に音声認識でキーワード設定ができる「声 de Google」を実現したら、情報検索の世界が大きく変わるインパクトを持つと思う。音声認識はハードルの高い領域であるが、KDDIとGoogleにはぜひチャレンジしてもらいたい。

 インターネットとリアルの世界で、情報の境目が互いに重なり合ってきている。検索を軸にふたつの世界が結びつく可能性は、サービスとビジネスの両面で大きいと言えるだろう。

[神尾寿,ITmedia]

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