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ドコモDCMXスタートは強い追い風――三井住友カードに聞く(後編) (1/3)

「三井住友カードiD」に続き、ドコモから「DCMX」が登場したことにより、iDのユーザー・加盟店は大幅な増加が見込める。DCMXは三井住友カードにとってどのような存在なのか、またリーダー/ライター共用化についての見解などについて聞いた。
2006年04月18日 14時33分 更新

 少額から中額、そして高額まで。従来のクレジットカードと併存し、新たな「日常域でのクレジット決済サービス」の活性化を目指すiD。ドコモ「DCMX」開始のインパクトや将来展望などについて、前編に引き続き三井住友カード iD企画部グループマネージャーの楠木康弘氏に聞いていく。

ay_kamio01.jpg 三井住友カード iD企画部グループマネージャーの楠木康弘氏

共用化は「メリットが見える」ことが重要

 現在、主要なおサイフケータイ向け決済方式は、三井住友カード+ドコモの「iD」、JCBの「QUICPay」、UFJニコスの「スマートプラス」、電子マネーとしてビットワレットの「Edy」、JR東日本の「Suica電子マネー」などが乱立している(特集参照)。リーダー/ライターの共用化については、iDとSuica電子マネーが将来的な対応を表明しているが(4月3日の記事参照)、それ以外は個別の設置なのが現状だ。一方で、ユーザーと加盟店の声では「リーダー/ライターの共用化」を求める声は根強い。

 リーダー/ライターの共用化に対して、楠木氏は「共用化の話はマスコミ主導で盛り上がっていますが、実際に(今すぐ)共用化するのが本当にいいのかという議論がある」と慎重な姿勢を示す。

 「共用化の議論はクレジットカードがいい例なのですが、今では加盟店端末が(設置したアクワイアラに関係なく)どのクレジットカードでも読める。しかし最初からそうだったわけではありません。クレジットカード黎明期には、三井住友カードはVISA、JCBはJCBといった具合に加盟店端末は設置事業者のカードしか認証できなかった。共用で使えるようになったのは、加盟店の開拓が終わり、各クレジットカード会社のシェアや市場での地位が確立されてからなのです」(楠木氏)

 日本で始めてクレジットカードが登場したのが、1960年。翌年から銀行系クレジットカード会社が相次いで誕生しているが、加盟店開拓競争から端末共用化の流れになったのは、「クレジットカード誕生から15年ほど経ってから」(楠木氏)である。

 「(おサイフケータイを使った)決済サービスを考えると、去年がようやく『元年』かなといったところでしょう。今、乱立しているクレジット決済や電子マネーの方式が3年後にすべて存在しているのか、まだ分からない。また今の段階では加盟店側も、来店するお客様がどの方式とどの方式を使いたがっているかが実は見えてない。共用化すべき方式の選択ができないんじゃないでしょうか」(楠木氏)

 リーダー/ライターの共用化をする以上は、相手先に一定の加盟店規模とユーザー数があり、将来的にその方式やサービスが継続することが重要になる。また共用化による加盟店メリットも大切だ。

 「共用化に向けた取り組みは、iDとSuica電子マネーのようにすでに動き出しています。我々としても必要だと考えている。しかし、それは加盟店開拓が一段落して、ユーザーと加盟店のメリットがはっきりと見える形でなければならないとも考えています」(楠木氏)

順調な加盟店拡大。次のターゲットは……

 iDの加盟店拡大はここにきて急速に進んでいる。今年3月後半以降、発表された大きな導入だけでも、イオングループの「ジャスコ」「ミニストップ」、am/pmジャパンの「am/pm」、同じくコンビニエンスストアの「ローソン」、第一興商の「ビックエコー」、コカコーラの「シーモ2」、焼き肉屋チェーンの「牛角」、100円ショップの「セリア」、東京無線協同組合の「東京無線タクシー」など枚挙にいとまがない。特に流通系での対応の多さは特筆すべきものがある。

 このように順調に加盟店拡大が続いているが、今後、特に加盟店拡大に力を入れたい業種・分野などはあるのだろうか。

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[神尾寿,ITmedia]

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