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韓国携帯事情:

白黒のQRコードから「カラーコード」へ──韓国発の新規格

日本では広く利用されるようになったQRコードだが、見た目は白黒であまり美しくない。韓国で開発された「カラーコード」なら、これを4つの色のパターンで表現できる。
2006年03月28日 01時49分 更新

 携帯電話からインターネットに接続する際に、URLを直接入力するのは面倒だ。その作業を簡単にするため、数字入力やバーコード認識など、さまざまな方法が開発・運用されている。「カラーコード」もその1つ。カラーコードはその名の通り、色コードを携帯電話のカメラで読み取り、特定の情報を引き出すというもの。日本でも実際に運用されているこのカラーコード、実は韓国で開発された規格だ。開発元のカラージップメディアに話を聞いた。

カラーパターンを解析しサーバと交信

 カラーコードは赤・緑・青・黒の4色で描かれた絵(カラーコード)を、携帯電話のカメラで読み取り、それをアプリケーションで解析する仕組みになっている。ここで解析された色のパターン情報はサーバに送られ、対応した情報が携帯電話に表示される。

 色のパターンが情報を引き出す鍵となるので、平らな紙だけでなくガラスや洋服、缶などの曲面に印刷したもののほか、走査線のあるテレビ画面に表示されたものや色付きブロックで作ったものまで、素材を問わず対応できるのが特徴だ。

 カラーコードの読み取りには、最低10万画素以上のカメラと専用アプリケーションが必要になる。アプリケーションはもともと内蔵されている場合もあれば、ユーザーが別途ダウンロードしなければならない場合もある。

 現在、韓国ではSK Telecom用携帯に「NATE Code」という名前であらかじめアプリケーションが搭載されている一方、KTFとLG Telecomについては「導入に向け協議中」(カラージップメディア代表理事リー・サンヨン氏)で、対応は提携キャリアによって異なるようだ。ちなみに日本市場では、正式対応を表明しているキャリアはないが、フジテレビとTBSの携帯サイトにドコモ/KDDI/ボーダフォン用のアプリケーションが用意してあり、ユーザーが自分でダウンロードできる。

 カラーコードの長所についてリー氏は「現在、世界には600を超える種類の2次元コードがあるが、その大部分は白黒。それをカラーにすることで表現力がぐんと増す。また色のパターンの認識のみで情報を引き出すので、比較的離れた場所からでも読み取りが可能だ。数字を入力して特定のWebサイトにアクセスする方法もあるが、これはカラーコードとは異なり入力ミスをしてしまう可能性がある」と話してくれた。

 さらに「カラーなら親近感も増す。IPアドレスよりURLの方が覚えやすいように、白黒のコードよりカラーで模様のあるコードの方が消費者の記憶に残りやすい」。単に4色の四角形の組み合わせだけでなく、目に鮮やかなさまざまなパターンのカラーコードが用意されている。

PhotoPhoto Tシャツにプリントされたカラーコードを、携帯電話で読み取っているところ。携帯電話をカメラモードにし、カラーコードを映し出せば、5秒ほどでコード認識と情報表示などが行われる(左)。情報誌のような、紙に掲載されたカラーコードだけでなく、色付きブロックで作ったカラーコードなども読み取れる(右)
Photo さまざまなカラーコードのパターン。赤・緑・青・黒の4色のみとはいえ、色の組み合わせによって独特のデザインができあがる。4色以外の色は無視されるという

世界市場への展開へ向けた活動

 現在、カラーコードメディアは韓国本社のほか、日本とシンガポール、米国に支社を置いている。その中で実際にサービスを行っているのは韓国と日本のみだ。韓国市場に導入されたのは2003年6月で、日本市場には2005年2月に導入されている。

 ただし利用状況から見ると韓国よりも日本市場の方が活発だという。それは「日本の携帯カメラの性能が韓国のそれよりも良く、遠くのものでもきれいに撮れるため」(リー氏)という。また日本ではQRコードが広く普及し、カメラでコードを読むという行為自体に抵抗感がないことも起因しているかもしれない。勝手サイトのない韓国では、携帯電話でURLを入力するという行為自体、あまり頻繁に行う操作ではないのだ。

 日本ではすでにNTTドコモ/KDDI/ボーダフォンの3社の端末に対応したアプリケーションを配布しており、テレビ局や観光バス会社など、さまざまな企業との提携も広まっている。また、カラーコードリーダーとQRコードリーダーを融合させるアプリケーションの開発も進んでいる。

 一方、韓国では「いまだに試験的段階」(リー氏)とはいえ、これまでにリンク先での商品購入などが人気を集めており、今後はEコマースを中心にサービスを拡大していく予定だ。

 また米国ではサービス導入へ向け協議中の状態ではあるが、シンガポールでは4月中旬にもサービスを開始する予定。これを皮切りにタイやマレーシア、インドネシアなどの東南アジア地域にも対応エリアを拡大していく。

 このほか香港や台湾、オーストラリアをはじめとしたオセアニア地域は今年下半期、ヨーロッパには来年上半期頃に、それぞれサービスを始める予定だ。さらに市場規模の大きな中国やインド市場も視野に入れ、今年下半期からサービスインに向けた活動を開始する計画。これが実現すれば、カラーコードは世界中のさまざまなシーンで目につくようになりそうだ。

 リー氏は現在「テレビ画面に表示した場合や離れた場所からの認識率をより強化できるよう開発を進めている」という。カラーコードの技術と携帯電話の機能が向上し、4色以上でも簡単に識別できるようになれば、よりカラフルなコードの登場にも期待できる。

Photo ウェアラブルコンピュータのファッションショーにて披露されたカラーコード。今後はあらゆる模様がカラーコードに対応するかもしれない

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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