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サイボウズ、ウィルコム網でビジネスモバイル市場に参入

サイボウズ、ウィルコム、インフォニックス、ゆめみの4社が提携し、中小企業向けグループウェア「Office」を携帯で簡単に利用できるシステムを販売する。中長期的には、サイボウズブランドによる携帯市場参入もありそうだ。
2006年03月23日 17時37分 更新

 サイボウズは3月23日、モバイル事業での販売提携を、ウィルコムと行ったことを発表した。ウィルコムのネットワークと端末を利用して、サイボウズのグループウェア「Office」シリーズの携帯版を提供する。3月23日よりテストサービスを開始し、2006年末までに正式サービスを始める予定。開始から1年で、2〜3万人のユーザー獲得を目指す。

 テストサービスで提供する端末は、三洋電機製「WX310SA」(2005年9月27日の記事参照)と、日本無線製「WX310J」(2005年9月27日の記事参照)の2機種。モバイル向けサービスの提供にあたり、バックエンドのオペレーションはサイボウズの子会社であるインフォニックスが担当し、ソフトウェアは2月にサイボウズと事業提携を行ったゆめみが提供する(2月22日の記事参照)

ay_cbz01.jpg 左からゆめみ社長の深田浩嗣氏、ウィルコムソリューション営業本部長の瀧澤隆氏、サイボウズ社長の青野慶久氏、インフォニックス社長の淺野浩志氏

念頭にあるのはBlackBerry、プッシュサービスもやりたい

 サイボウズは、グループウェア市場ではIBMに続き国内第2位。現在約2万3000社、210万人のユーザーを抱える。中小企業向けグループウェアのOfficeユーザーに携帯電話から利用できるサービスを提供することにより、既存ユーザーからの定期的な収入を見込むほか、モバイル利用を中心とする新規ユーザーの開拓も目指す。「PCも使わない小規模な市場があるはず」(サイボウズ社長の青野慶久氏)

 サイボウズはこれまでにもOfficeを携帯で利用できるサービスを提供していたが、利用しているユーザー数は全体の10%程度しかいなかったという。「会社に来なくてはスケジュールが分からない、というのは効率が悪い。携帯から利用したいというニーズはこれまでにもあったが、あまり利用してもらえなかった。理由の1つは、構築の難しさ。セキュリティなどを考えると、専門に人を付けられるようなところでないと導入が難しい。もう1つは『パケット代をどうするんだ』という問題」(青野氏)

 新しいモバイルサービスでは、サイボウズがリレーサーバを提供。携帯電話からリレーサーバにアクセスする。ユーザーの社内にOfficeサーバと、リレーサーバの間はSSLで暗号化されている。Officeサーバに簡単な設定をするだけで済み、設定が非常に簡単な点が特徴だという。ファイアウォールの設置なども必要ない。

 会場では、Officeに携帯のWebブラウザからログインし、予定を確認したり、変更したりするデモが行われた。現時点ではSSLによる暗号化のみだが、テスト期間中に他の方法も検討していく。

 利用イメージとして想定しているのは、米国のホワイトカラーに普及している、加RIMの「Blackberry」だ。将来的にはスケジュールやメールのプッシュ配信も実現したいとしており、Blackberry以上の使い勝手を目指すという。

ay_cbz04.jpg システム図。ユーザーは端末ごとに設定を行ったり、社内外のゲートウェイサーバを立てたりする必要がないため、簡単に導入できる
ay_cbz02.jpgay_cbz03.gif PC版の「Office6」(左)と、モバイル版の「Office6」(右)

MVNOによる、携帯市場への参入もありうる

 今回サイボウズは“ウィルコムとの提携”という形をとったが、中長期的には、MVNOにより、サイボウズブランドで携帯市場への参入も目指している。

 サイボウズが携帯事業への参入意志を表明したのは、今回が初めてではない。2005年9月13日に開催したサイボウズの2006年1月期中間決算の会見でも“サイボウズ・フォン”の可能性について触れている(2005年9月13日の記事参照)

 また、インフォニックスはMVNO参入事業者向けに課金機能などを提供する「MVNEサービス」を2005年9月1日から提供している企業だ(8月24日の記事参照)。インフォニックス社長の淺野浩志氏は「セグメント特化した通信サービスには、回線の卸をしてもらえるはず。MVNEの成功請負人としての地位を確立したい」と話した。

[吉岡綾乃,ITmedia]

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