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Windows Mobileは今年、日本市場でも本格的に普及する――マイクロソフト

ウィルコムの「W-ZERO3」で、日本市場に上陸したばかりのOS、Windows Mobile。Windows Mobile端末の開発は、日本メーカーにとってもメリットが大きいという、その理由は?
2006年03月20日 17時27分 更新
phone Microsoft上級副社長のピーター・クノック氏

 3月20日、マイクロソフトは携帯・PDA向けOSであるWindows Mobileについての記者向け説明会を行った。米Microsoftでモバイルとエンベデッドデバイス&通信セクタを担当する上級副社長のピーター・クノック氏が来日し、Windows Mobileについての各国の状況、日本での取り組みなどについて話した。

PDAライクなハイエンド端末以外にも展開

 Windows Mobileには3種類あり、価格が安い順に「Smartphone」「Pocket PC(通信機能なし)」「Pocket PC Phone Edition」となっている。

 マイクロソフトは、W-ZERO3のようなフルキーボードのハイエンドモデルだけではなく、もっと一般的な携帯(Webブラウズ+メール機能を持つ音声端末)へも、Windows Mobileの搭載を進めていく考えだ。「シンプルな端末に、ハイエンド端末向けのPocket PCを入れると高くなってしまうので、そういう場合はSmartphoneを入れる。逆に、タッチスクリーンなどの機能が必要な場合はPocket PCタイプを入れてもらう。ちなみにW-ZERO3の場合は、通信機能なしのPocket PCに、シャープがPHSの無線技術を独自に拡張している」(クノック氏)

 Windows CEがOSであるのに対し、Windows MobileはOSもアプリも含むパッケージングであるとクノック氏は話す。「Windows CEだけでなく、Mobile OutlookやPocket Word、Windows Media Player 10 Mobileといったアプリまで含めて、Windows Mobileになる」(クノック氏)

 これらのアプリは、Windows Mobileの大きなメリットといえる部分である。「Windows Media PlayerやHotmailといった、PCでのユーザーが非常に多いコンシューマ向けツールを、携帯でそのまま利用できるのはWindows Mobileならでは」(クノック氏)

Windows Mobileはビジネス市場を狙う

 しかしWindows Mobileが本当に狙っているのはビジネスユーザー市場だ。LinuxやSymbianといった、ほかの携帯向けOSに対するWindows Mobileの最大のアドバンテージは、Exchangeサーバとの接続性の良さにある。Exchangeサーバを導入して、Outlookメールを利用している企業であれば、Windows Mobile端末を導入することにより、PCで読み書きしていたメールをそのまま携帯端末で読めるようになる。加RIMの「Blackberry」などを使って実現していることが可能になる。

 もう1つのアドバンテージは、開発環境がPCと非常に近い点だ。「Visual Studioを使って(PC向け)アプリを開発するスキルがあれば、同じエンジニアがWindows Mobile用アプリもそのまま開発できる。Visual Studioの開発者は600万人以上いる。Javaよりもその点は有利」(クノック氏)

 「Windows Mobileは、ビジネスチャンスを生む。日本では、携帯への投資は個人がするものだった。しかしWindows Mobileなら、コーポレートのIT環境として使ってもらえる。セキュリティインフラも入っている」

Windows Mobile端末の開発は、日本メーカーにとっても役立つはず

 「ここ3年ほどで、Windows Mobileを採用した端末は非常に増えてきたが、日本市場では出遅れた。しかし日本でも今年1年間で普及が進む」とクノック氏は話す。

 たしかに、現在日本で発売されているWindows Mobile端末は、ウィルコムの「W-ZERO3」1機種のみだ。しかし2006年下期にはドコモからHTC製のフルキーボード端末が(1月23日の記事参照)、2006年度内にはボーダフォンから複数の端末が出ることが発表されている(2月28日の記事参照)

 他の国に対して日本市場でのスタートが遅れたのは、日本の無線方式が独自なためだ。まずGSM、次にW-CDMAに対応し、その次に日本という順番になったので遅れた、と説明する。またWindows Mobile端末を開発することは、端末メーカーにとっても意味があるという。

 「日本のOEM(注:端末メーカー)は世界市場から撤退してきたが、Windows Mobileを使うことで競争力を付けられる。例えば(W-ZERO3を開発した)シャープは、PHS以外のネットワーク向けにも、容易にWindows Mobile端末を出すことができるだろう。逆に日本以外のメーカーが、日本市場でローンチする場合にも、Windows Mobileなら楽になる」(クノック氏)

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[吉岡綾乃,ITmedia]

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