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連載
2006/01/26 22:17 更新

神尾寿の時事日想:
収納場所と使いやすさの微妙な関係

調査結果にも表れているように、携帯電話を持ち歩くスタイルは男女で異なる。「使いやすさ」は使い方によって異なるものであり、「万人向け」はありえないのだ。

 1月25日、インフォプラント/C-NEWS調査による携帯電話の持ち歩きに関する記事が掲載された(1月25日の記事参照)。それによると、携帯電話の収納場所として、男性で最も多かったのは「パンツ・スカートの脇ポケットに入れて」が4割弱でトップ。一方、女性は、5割強が「バッグのポケット」でトップ。2位は「バッグの中(ポケット以外)に入れて」(4割強〜4割半ば)となり、やはりバッグの中。「上着外側の腰ポケットに入れて」は1割半ば〜2割弱で3位だったという。

 携帯電話メーカーの商品企画において「どこに収納するか」は重要なテーマであり、“男性はスーツやズボンのポケット”、“女性はバッグ”というのは、以前から知られている。今回の調査結果は、その傾向が今でも変わっていないと再確認するものだ。

収納場所の違いは「使いやすさ」評価にも影響する

 筆者は定期的に携帯電話ユーザーのグループヒアリングやインタビューを行い、「使いやすさとは何か」を考えている。その中で、男女の収納場所の違いが、使いやすさの評価に与える影響は大きいと感じている。

 その分かりやすい例が、液晶サイズである。女性層を中心とするバッグ収納派は、本体サイズが拡大しても液晶の大きさや見やすさを重視する。この傾向はメールやコンテンツ利用の多いユーザーほど顕著だ。

 一方、男性層を中心とするポケット収納派は、本体サイズと液晶サイズのバランスを重視する。ポケットへの収納性や取り出しやすさが担保された上で、液晶サイズの大きさを評価するユーザーが多い。特に携帯性・コンパクトさを重視する傾向は、通話利用が多いビジネスユーザーを中心に根強く見られた。

 周知のとおり、携帯電話の使いやすさに「万人向け」はない。個々のユーザーがどの要素を“より重視するか”という相対的なバランス評価になるが、その中で収納場所の違いはユーザーの評価軸を決める一因になっている。また、ワンセグのように端末のサイズ拡大を伴う新機能の搭載においても、収納場所の違いによって、新機能を受容するユーザーと受容しないユーザーが分かれるだろう。

[神尾寿,ITmedia]

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