PCインターネットの世界で話題となっている“Web2.0”。その概念を、モバイルの世界にも持ち込むチャレンジをしているのが、ベンチャー企業のゆめみだ。
1月25日には、ドコモの902iシリーズのトルカ機能に対応したブログサービス「Sweetブログ」の開発を発表。RSSやアフィリエイトなどの仕組みを、モバイルでも活用できる技術の開発を続けている。
「Web2.0の流れはチャンス。Web2.0のコンセプトはほかの機器でも使える。日本では何をやるべきか考えたときに、携帯がキーになるのではないか」
ゆめみの深田浩嗣社長はこう話す。同社は今後2年で、15〜20種類のWeb2.0的とうたうサービスを提供していく計画だ。
サービスの第1弾として投入したのが、携帯向けRSSリーダーだ。「過去にどのような記事をクリックしたかに応じてパーソナライズしてくれる」と、同社の片岡俊行会長は特徴を説明する。RSSフォーマットで配信された情報はカレンダー形式で閲覧でき、スポーツの試合やDVDの発売日など、未来のイベントなどについてもチェックできるのも独特。こうした機能を使い、ユーザーの行動履歴を収集。PCの世界と同様、モバイルでもユーザーに関する情報が最大の資産になっていくと見る。
新サービスの店舗向けSweetブログも、RSSリーダーと連携して使われる。Sweetブログは、飲食店などリアルの店舗が販促ツールとして無料で利用できるシステムだ。セールの内容や新商品などをブログ上で告知すると、RSSの形で携帯のリーダーに情報が配信される。ブログには「クーポン券」としてトルカデータを掲載することもでき、これを配信することも可能だ。
片岡氏は、メールマガジンを使った従来のCRM手法に比べ、下記のようなメリットがあると話す。
1つは、利用者側がメールアドレスを登録する必要がないこと。店舗に記されたURLからRSSリーダーをダウンロードすれば、ブログの情報が自動的に届くようになるため、個人情報のやりとりが必要ない。
2つ目は、販促メールの“スパム化”を防ぐことができること。届いた瞬間に必ず通知されるメールと異なり、RSSリーダーはユーザーが立ち上げた時点での最新情報が表示される。RSSで販促の案内を配信することで、ユーザーを不快にさせない告知が可能になる。
ゆめみ自体は、店舗向けのブログ/RSSリーダーを無償で提供し、今後広告を掲載していく計画だ。ユーザーの行動履歴に応じて掲載する広告を変えることを想定している。
今後は、ユーザーが書き込めるモバイル向けブログサービスも計画している。ユーザーが店舗のクーポン券をトルカとして配布すれば、利用実績に応じてアフィリエイト的なキャッシュバックも想定している。このアフィリエイトの支払いにはEdyなど、携帯向けの電子マネーを使っていく計画だ。こうした仕組みで、クチコミ的なユーザーコンテンツを増やしていく狙いがある。
当初の課題は、回り始めるところまでRSSリーダーの会員数と、提携店舗数をどう増やすかということだ。RSSリーダーはアプリ版のほかWebサイト版もあり、2006年中に150万人まで会員を増やす計画。ブログを利用する店舗は、1年で100店舗を目指す。
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