KDDIは、「着うた」などで培った音楽サービスでの強みを軸に、PCでも音楽配信事業に乗り出す。音楽ケータイを「iPod」のようなポータブルオーディオプレーヤーに見立て、「iTunes」に相当するPC用楽曲管理ソフト「au Music Port」を無償提供。さらに、au Music Portから楽曲をダウンロード購入できるサービス「DUOMUSIC STORE」も4月に開始する予定だ。
この総合音楽サービスは「au LISTEN MOBILE SERVICE」と名付けられ、略称でLISMO(リスモ)と呼ぶ。同時発表したWIN端末7機種で利用が可能だ(1月19日の記事参照)。
コンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏は、「これはFMC(Fixed Mobile Convergence)の1つ。音楽から始まる、ケータイからPCに広がるサービスを様々なジャンルに拡大していく」と意気込む。
PC向けに高機能の楽曲管理ソフトを無償提供し、Webサイトから楽曲を有料販売する。楽曲管理ソフト内からポータブルオーディオデバイスに楽曲を転送し、モバイル環境で音楽を楽しむことができる──。
これがau Music Port+音楽ケータイのモデルだ。そしてアップルのiPod+iTunesのモデルもほぼ同様のものになっている。
「iPodはすべてをワンセットにして提供している。これを意識して、KDDIとしてPCも含めてどう提供していくのかを検討した。(iPodと違い)携帯電話の場合、ポータブルプレーヤー台数が飛躍的な数で伸びていく。(iPod+iTunesに)対抗していけるサービスだと思っている」(高橋氏)
LISMOでは、楽曲のエンコード方式に、着うたフルと同じHE-AAC(aacPlus)を用いる。ビットレートなどは着うたフルと同様だ。DRM(著作権保護方式)は携帯の電話番号に紐づけられた、独自のものを用いる。
特徴的なのは、4月に開始する音楽販売サービスDUOMUSIC STOREの決済方式に、携帯電話の通話料と合算で支払える「まとめてau支払い」を採用したことだ。「携帯の4桁の暗証番号をPCで入れるだけで、楽曲が購入できる」と高橋氏。クレジットカードを持てない若年層や、クレジットカードを使ったネットショッピングに不安を持つ層を取り込むことを狙う。
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