誠

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連載
2005/12/16 16:58 更新

神尾寿の時事日想:
スマートフォンの真価を引き出すボーダフォン・オフィス・メール

PCメールをプッシュで受信できる「ボーダフォン・オフィス・メール」。法人市場のニーズを的確に吸い上げており、スマートフォンを本格的に普及させる、キラーサービスになりうる内容といえる。

 12月15日、ボーダフォンが「ボーダフォン・オフィス・メール」を発表した(12月15日の記事参照)。グループウェアで管理しているメールやスケジュール、アドレス帳データなどを対応する携帯電話にリアルタイムで反映させられるというものだ。従来の携帯電話向けグループウェア機能と異なり、「プッシュ配信」されるので利便性が向上しているのが特徴だ。

 周知の通り、ボーダフォン・オフィス・メールのようなプッシュ技術を利用した法人向けデータソリューションは、欧米市場を中心に普及し始めており、企業におけるスマートフォン活用とセットのようになっている。日本市場にもノキアやモトローラなど一部のスマートフォンが導入されてきたが、その活用という点では、SIヤーやユーザーのスキルに頼る部分が多かった。しかし今回、ボーダフォン・オフィス・メールが導入されることで、キャリアのサービスとして基本的なスマートフォンの魅力を引き出すことができる。これは大きな進歩だろう。

販促と導入支援が成功の鍵

 もう1つ筆者が感心したのが、今回のサービスメニューに小規模でも利用できる「Personal Edition」のメニューを用意していることだ。ホワイトカラーの業務改善・生産性向上は、潜在的には中小企業での必要性が高いが、こういった企業ではITリテラシーの高い一部の役員や担当社員が個人的にサービスの評価をするケースがよくある。「個人や小規模でも試せる」ことは重要なポイントだ。

 むろん、本格的にこのサービスを活用するならば「Enterprise Server」を選ぶことになり、ボーダフォンもこちらの普及を推進したいはずだ。ボーダフォンでは「Enterprise Serverの導入はお客様が行うのが基本スタンスですが、お客様の要望があれば法人営業部が導入支援を行います。また、申し込みを受け付けるだけでなく、法人営業部門が商品の1つとして販売促進も行う」(広報部)という。

 ボーダフォン・オフィス・メールは、法人市場のニーズをよく考えたサービスであり、成功すれば日本のスマートフォンを“ホワイトカラーのiPod”といえるレベルまで普及させることができるかもしれない。今後の初期の販売促進・導入支援には苦労も伴うだろうが、ボーダフォンの努力に期待したい。

[ITmedia]

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