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2005/12/15 09:51 更新

神尾寿の時事日想:
「助手席テレマティクス」への期待

通信を使い、クルマへ情報提供するテレマティクス。ドライバーではなく、助手席向けの場合には、従来型カーナビ以上にその可能性が広がりそうだ。助手席向けのコンテンツとして、どのようなものが考えられるだろうか?

 12月14日、KDDIとナビタイムジャパンが、au携帯向け助手席カーナビゲーションサービス「EZ助手席ナビ」で「天気情報」の配信を開始した(12月13日の記事参照)。これはルート検索の結果に応じて、全国800カ所以上の天気予報をピンポイントで提供するものだ。

 通信を使ってクルマにリアルタイム情報を提供するテレマティクス(キーワード参照)は、現在、自動車メーカーの純正カーナビを中心に普及し始めている。今回、EZ助手席が対応したピンポイント&リアルタイム天気情報も、ホンダのインターナビなど複数のテレマティクスが対応している。今回はEZ助手席ナビが、自動車メーカーの純正カーナビの持つテレマティクス機能をキャッチアップした形だ。

 しかし筆者は、携帯電話を使ったパッセンジャー向けカーナビには、テレマティクス分野において自動車メーカーの従来型カーナビ以上に、テレマティクスの可能性があると考えている。

ドライバー向けを超えるコンテンツに可能性

 周知の通り、EZ助手席ナビ(9月1日の記事参照)など携帯電話を使ったカーナビサービスは、ドライバーではなく、パッセンジャーが操作・利用することを前提にしている。ドライバー向けの従来型カーナビでは、運転の安全確保のため、“運転支援”を超えるコンテンツは走行中には表示しないようにメーカーが自主規制を行っているが、「ドライバーは使わない」助手席ナビはコンテンツ利用規制のくびきから離れている。現在は駐車場満空情報(11月10日の記事参照)や天気情報などの運転支援系コンテンツが中心だが、将来的には提供コンテンツのジャンルを広げることが可能だ。

 例えば、ドライブの楽しさを増すが、ドライバーが見るには文章量の多いドライブガイドやレストランガイドなどが、助手席向けテレマティクスのコンテンツの1つとして考えられる。

 また、これは今回の長崎取材で知ったのだが、佐世保観光コンベンション協会では、現在人気急騰中の佐世保バーガーの人気店にライブカメラを設置し、FOMAのテレビ電話から確認できるようになっている。こういった映像コンテンツの活用も、パッセンジャー向けテレマティクス向けならば“アリ”だと思う。

 携帯電話へのGPS搭載義務化は既定路線になっており、その中で助手席ナビは、キャリアを問わず、新たなサービスの1ジャンルになる。その際、これまでドライバー向けでは展開できなかった種類のコンテンツやサービスが、パッセンジャー向けならば実現可能になるのではないだろうか。

[神尾寿,ITmedia]

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