ロボットのリモコンも──具体化してきたZigBee

» 2005年12月14日 16時57分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 無線LANなどと同じ2.4GHz帯を使う監視・制御用の無線通信方式ZigBeeを使った機器が、徐々に実現に近づいている。12月14日、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンが開催したZigBeeのプレスセミナーでは、エレクトロニクス商社の丸文などが試作機を展示した。

 写真は、2軸の加速度センサーから得た信号をZigBeeを使って送信するというもの。「ロボット型のリモコンに組み込んで、ロボットを動かすと、本体の大きなロボットが同じように動く──といったことができるのではないか」と、開発を進める丸文は話す。

 ZigBeeは制御用に作られているだけあって、Bluetoothなどよりもさらに低消費電力なのが特徴だ。技術的には“乾電池だけで数カ月動作する”とうたっており、こうした玩具に最適だと丸文は見る。

 こちらはZigBeeを使って無線ドアフォンを実現しようというもの。「ドアフォンの子機を移動させたいというニーズがある。また今のドアフォンは後付けが難しい。乾電池で動いて、画像や音声も送れるのはZigBeeだけだ」(丸文)

 実は厳密にいうと、この2つはZigBeeではない。ZigBeeの物理層として使われているIEEE802.15.4を使って通信を行っている。「ZigBeeの機能に関するロイヤリティがかからなかったり、通信速度を上げたりできる」と丸文。ZigBeeを使うメリットの1つは、メッシュネットワークを簡単に構築できたり、相互接続性が確保できたりする部分だが、用途によっては独自の通信方式でかまわないことも多いという。

 フリースケールは初代のZigBeeチップを既に出荷しており、2006年第1四半期には制御CPUを同一パッケージに収めた第2世代のチップを提供する予定だ。さらに2007年前半には機能を同一チップ上に集積し、機能を向上させた製品を投入する。

IEEE802.15.4の物理層の上に、ZigBeeのプロトコルスタックが載ったものを「ZigBee」と呼ぶ。802.15.4物理層の上に、異なるプロトコルを載せて使うこともできる。丸文では東京電機大と共同で、このようにZigBeeではない802.15.4を、Silent-linkと呼ぶことを提唱している

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