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三菱FOMAが“続々”登場の背景

ヒットの兆しを見せる「D902i」に続き、次々とFOMAを投入する三菱。その背景にあるものの1つがSymbianだ。「らくらくホン シンプル」も実はSymbian OSを採用している。
2005年12月08日 20時55分 更新

 三菱電機が元気だ。この秋、「D902i」「MUSIC PORTER X」「らくらくホン シンプル」「Music Porter II」とFOMA端末4機種を一挙に発表。「D902i」は11月末の販売ランキングで4位につけるなど(12月2日の記事参照)、NEC、パナソニック、シャープの3強に割って入る勢いを見せている。

「手持ちのリソースは変わっていない」と三菱

 振り返れば、三菱はFOMA開発に苦しんできた。「D900i」は開発発表から半年経ってようやく登場(2004年6月21日の記事参照)。同時に発表された他機種に3カ月以上遅れた上、派生機種となる「iS」や「iC」を出すことはなかった。開発が遅れていたのは明らかだが、ここに来て何が変わったのか。

 「手持ちのリソースは変わっていない。ムーバからFOMAへの開発体制のシフトが要因」だと三菱電機広報部は説明する。

 ボーダフォン向けなども手がけていた同社だが、現在のボーダフォン端末ラインアップに三菱電機端末の名前はない。現在はドコモのFOMA端末に力を注いでいる。

 一方で、OSとしてSymbianを採用したことが開発効率のアップにつながっていると主張するのは、シンビアンの久晴彦社長だ。「D902i、らくらくホン シンプル、MusicPORTER X、Music Porter II──。1機種作るとどんどん出てくることが実証された」と胸を張る。三菱は2005年2月に発売した「D901i」からSymbian OSの採用を始めた。

 世界的にはハイエンド端末向けのOSと位置づけられるSymbian OSだが、三菱はらくらくホン シンプルなどローエンド向け端末にも採用。ローエンドからハイエンドまでプラットフォームを共通化することで、開発負担を減らす意図が見える。

 久氏は、早期にSymbian OSを採用した富士通の例を挙げて、効率アップが可能だと話す。富士通はシニア向け端末「FOMA らくらくホンII」なども含め、10機種以上のSymbian端末を開発、投入してきた。「富士通は、5機種開発しているといっても5チームではなく、1チーム+α。一回作った物を展開することができる」(久氏)

 FOMA共通プラットフォーム「MOAP」を開発したドコモも、Symbianのような高機能OSが開発効率を向上させることに期待する。「開発効率向上の解決策として、1つは高機能OSを採用する。これがSymbianとLinux。2つ目がアプリケーションをプラットフォーム化する。この部分の開発負担を減らし、端末メーカーには特徴を出す部分に注力してもらう」(ドコモ移動機開発部ソフトプラットフォーム開発担当の照沼和明担当部長)

 一方で、Symbian OSの導入は容易なものではない。従来のRTOS(リアルタイムOS)から高機能の汎用OSに移行する際の苦しみは、多くの技術者が話すところだ。

 少なくとも、現在の三菱が“FOMAラッシュ”であることは間違いない。

[斎藤健二,ITmedia]

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