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2005/11/30 21:31 更新


アプリックスも参加 ドコモの「スタープロジェクト」とは?

ドコモから130億円の出資を受けるアプリックス。新プロジェクトの1つは、ドコモとSunの「スタープロジェクト」。またMOAP(L)とも関わるミドルウェアフレームワークも開発していく。

 NTTドコモから130億円の出資を受け、新たなプロジェクトに乗り出すアプリックス(11月30日の記事参照)。11月30日に行われた説明会で、プロジェクトの一端が明かされた。

DoJaとMIDPのいいとこ取り──CDCベースの可能性も

 アプリックスが参加する新たなプロジェクトの1つが、次世代のJava仕様である「スタープロジェクト」だ(11月10日の記事参照)。これはドコモと米Sun Microsystemsが進めているもので、今後ドコモ端末への搭載が想定されている。

 スタープロジェクトの詳細は明らかになっていないが、アプリックスの郡山龍会長兼社長によると、従来のCLDCベースのものからCDCベースへの移行が、1つの案として視野に入っている。

 「現在のJavaは、携帯の上で1つのアプリを実行するという使われ方をされている。今から5〜6年前の携帯は複数のアプリを動かすだけのパフォーマンスがなかったため、1つのアプリを動かすだけだった。本来であれば、Javaが最も力を発揮するのは複数のアプリケーションを使える環境だ。そのためCLDCからCDCベースのものに移行するというのがスタープロジェクトの目標になっている」

 携帯向けJava仕様には、ドコモのDoJaや標準規格であるMIDPなどいくつかの規格があるが、そのベースになっているのがCLDC(Connected Limited Device Configuration)だ。これはパフォーマンスの低い携帯電話のハードウェア仕様に合わせて作られた仕様で、Javaバーチャルマシンの仕様と合わせ、CLDC/KVMとも呼ばれる。一方で家電などCPU性能やメモリが潤沢な機器向けに作られたのがCDC(Connected Device Configuration)だ。いずれも、組み込み機器向けJavaであるJ2MEの1つとして定められている。

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アプリックスが以前示したスライドより

 携帯電話自体のOSもマルチタスクになっていく中で、特にハイエンド端末ではJavaのCDC化を求める声が出始めている。NokiaもSymbian OS上でCDC Javaへの取り組みを始めようとしている(11月11日の記事参照)

 アプリックスは、1999年に出荷されたソニーのMDディスクマンなどにCDC仕様のJavaを載せた実績があり、「そうしたCDCの経験と知識が評価されてプロジェクトへの参加を要請されたと考えている」と郡山氏は話す。

 ではCDCベースになると何が変わるのか。郡山氏は次のように話し、スタープロジェクトが単なるアプリケーションの実行環境というよりも広い可能性を持っていることを示した。

 「自分と同じ携帯を100万人が持っているのではなくて、自分にマッチする、好みに合った世界が作り出せるような、そういう製品になっていく。キーワードがパーソナライズ。そのためのいろいろな開発を行い、それを安く手に入る世界を実現する。スタープロジェクトはそれを実現するステップの1つ」

 また夏野氏はSunのJavaOne Conferenceで次のように話したという(7月19日の記事参照)。「DoJaもMIDPのどちらにも、それぞれ長所がある。次のJavaプラットフォームでは、両方の長所を取り入れる必要がある」

 スタープロジェクトの成果は、広く各社が利用できるものになる見込みだ。「幅広く使ってもらうことが、結果的にドコモにとっても最良の選択だろう」と、郡山氏はドコモが開発費拠出ではなく出資という形を取った背景を話した。先日のカンファレンスでは夏野氏も、「これをドコモ専用にするつもりはない」としている。

MOAP(L)と互換性を持つミドルウェアフレームワーク

 出資資金を使ってアプリックスが取り組むもう1つのプロジェクトが、携帯電話OSの補完的な役割を果たすソフトウェアだ。同社では「ミドルウェアフレームワーク」と呼んでいる。

 ドコモは「MOAP」(Mobile Oriented Applications Platform)の名称で、FOMA向けプラットフォームを定義しており、Linuxを使うMOAP(L)とSymbianを使うMOAP(S)の2つが用意されている(2004年11月18日の記事参照)

 アプリックスは、MOAP(L)と関連づけてミドルウェアフレームワークを開発していく意向だ。「ミドルウェアフレームワークと、ドコモ資産の関わりについて確実にいえることはない。MORP(L)との互換性は考慮しながらの開発となる。採用を検討してもらえると思っている」

 またMOAP(L)以外にももう一種類のOSを想定していることも明らかにした。詳細は明かしていない。

[斎藤健二,ITmedia]

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