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2005/11/29 14:13 更新


TI、GSM対応のFOMAチップ開発 2006年後半に端末登場

W-CDMAおよびGSM/GPRSに対応したチップをTIがドコモと共同開発した。FOMA向けアプリケーションプロセッサのデファクトスタンダードであるOMAPのコアを組み込んである。

 日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は11月29日、W-CDMAおよびGSM/GPRSに対応したOMAPとの統合チップ「OMAPV2230」のサンプル出荷を開始したと発表した。

 「TIの最初の3Gソリューション。OMAP2アーキテクチャをベースに、日本市場を最初に考慮して開発した。汎用OSもサポートできる最初の統合型3Gモデムとなる」と米TIワイヤレス・ターミナルズ・ビジネスユニット セルラーシステムズ担当のアラン・マトリシー副社長はコメントした。

 このチップはTIがNTTドコモと共同開発を進めてきたもの(2004年7月13日の記事参照)。チップ面積は30〜40%削減されており、端末メモリも15〜20%ほど削減できるという。同チップの採用により、TIは端末全体で最大30%のコスト削減が可能だと見積もっている。OMAPV2230を搭載した端末は2006年後半に登場する見込みだ。

2チップ構成から統合型へ

 ドコモのFOMA端末のほとんどは、これまでW-CDMAのモデムチップ(ベースバンドチップ)に加え、TIのOMAPプロセッサをアプリケーションプロセッサとして搭載する2チップ構成を取っていた。こうした分離型の構成は、最新機能への搭載がたやすくハイエンド端末には向くが、コスト面からは安価な統合型チップも求められていた。

 OMAPV2230はその答えとなるTI最初の統合型チップだ。仕様などについてTIは詳細を明らかにしないが、W-CDMAおよびGSM/GPRSに加え「HSDPAもサポートする」としている。プロセッサ部分はARM11コアを使ったOMAP2アーキテクチャーをベースとしており、FOMA端末メーカーがこれまで使ってきたソフトウェア資産をそのまま利用できる。

 OMAP2プロセッサは、FOMA902iシリーズのパナソニック モバイル、NEC、シャープ、ソニー・エリクソンなどが搭載しており、型番は「OMAP2420」(11月1日の記事参照)。TIは同日、ビデオ性能などを大幅に向上させた「OMAP2430」を発表している。統合型チップのOMAPV2230は、OMAP2430の次世代のOMAPコアをベースとするという。

品名搭載機種、概要など
OMAP1610FOMA 900iなど
OMAP2420FOMA 902iなど
OMAP2430ビデオ性能などが向上。2006年第3四半期量産
OMAPV2230モデムとの統合チップ。2430の次世代コアを統合

統合型は徐々に移行

 TIは3G携帯電話の市場で大きなシェアを持っており、世界での3G携帯電話の普及に合わせてさらにシェアを伸ばす計画だ。TIによるとW-CDMAのモデムチップの同社のシェアは約50%。TI製品としてはOMAPV2230が初の3Gモデムチップとなるが、カスタム製品として3Gモデムで多数の実績がある。またOMAPのようなアプリケーションプロセッサではシェア67%を誇る。

 統合型チップであるOMAPV2230については、「主たるターゲットとしてはまず日本。最初の3Gのベースバンドビジネスになる。日本で成功すれば、世界のほかの国でも受け入れられる」とマトリシー氏。

 しかし一方で日本TIのセルラーシステムズ ビジネスデベロップメント部の大崎真孝部長は、「日本では分離型製品の需要はまだ大きい。統合型がすぐに7割……というわけではない。従来のモデムチップをそのまま使えるのが分離型のメリットだ」と話す。

 またTIと同様に、ルネサス テクノロジもNTTドコモと、「SH-Mobile」を組み込んだW-CDMA/GSM統合型チップの開発に着手している(8月24日の記事参照)。NECエレクトロニクスも開発を進めているほか(2004年11月22日の記事参照)、三洋電機製FOMAに採用されるなどQualcommも攻勢を強めている。分離型チップでは、ほぼFOMAを手中に収めたOMAPだが、統合型ではライバルも多い。

[斎藤健二,ITmedia]

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