誠

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2005/11/25 11:49 更新

神尾寿の時事日想:
「SA800i」はキッズケータイのお手本

ドコモが発表した「SA800i」は、子供向け携帯として実によく練られた商品だと感じた。子供向けに特化したサービスでバックアップされた商品は、子を持つ親にとって魅力的に映る。

 11月24日、NTTドコモが「子どもへの配慮と保護」をコンセプトにした「SA800i」を発表した(11月24日の記事参照)。「これは“子ども向け”として考え抜かれた優れた商品企画だ」というのが筆者の第一印象だ。機能縮小によるコスト削減、小手先のデザインに頼ったものではなく、現代の子どもと親が求めている機能・サービスが、しっかりと端末にデザインされている点に好感が持てる。

 筆者も二児の父であり、時々、子どもを連れて公園に出かける。パパ、ママ同士の交友、いわゆる“オヤ友”のネットワークもできるわけだが、そこで多い話題が「教育」と「安全」である。かつて、これらは公共的なものとして無料で手に入ったが、今ではサービスとして買うものだという認識が広がっている。つい先日も子どもが被害に遭う痛ましい事件が起きたばかりであり、「子どもの安全」に対するニーズは高まる一方だろう。

子ども向け端末における商品企画の重要性

 そのような中で登場したSA800iは、子ども向けケータイのお手本のような端末だ。特に「電源を切ってもGPS機能がオフにならない」点や、「専用工具がないとバッテリーが取り外せない」点は、専用端末としてよく考えられている(11月24日の記事参照)。これらは技術的に目新しいところがないだけに、他キャリアも含めて過去の子ども向けケータイで実現していなかったのが不思議なくらいだ。SA800iが一般向けモデルの流用品ではなく、きちんと商品企画された専用機であることがよく分かる。

 もう1つ、筆者が感心するのが子ども向けのiモードメニューである。ドコモは以前からキッズiモードという優れたサービスを行っていたが(2003年8月21日の記事参照)、これを改良し、子どもにも安心して使わせられるコンテンツを用意したものだ。子ども向けケータイには、リアルな世界での危険から守る機能だけでなく、ネットの世界の害悪や危険を遠ざけるサービスも求められる。それをいち早く実現し、子ども向け専用コンテンツまで用意している点はさすがである。

 ドコモ以外のキャリアは、キッズiモードのように「安全なコンテンツにだけアクセスできる機能」や「子ども向け専用コンテンツ」をキャリアとして用意していない。例えばauは、以前からGPS携帯電話で子ども向け安全機能を提供しており、専用の料金プランも用意した。それならば、ドコモのキッズiメニューに相当するコンテンツ選別サービスを用意してもいいのではないか。

 日本は現在、少子高齢化が進んでいるが、「6つの財布」という言葉でわかるとおり、子どもに対する投資額は増えている。一方で、治安の悪化から子ども向けセキュリティサービスのニーズは今後も高まる。SA800iのように、しっかりと企画された子ども向け端末の市場は有望である。

[神尾寿,ITmedia]

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