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“おサイフケータイクレジット”iDとは、どんなサービス?

NTTドコモが発表した、おサイフケータイを利用したクレジットサービスが「iD」だ。どのようなサービスになるのか、詳しくまとめた。
2005年11月08日 21時57分 更新

 既報の通り、NTTドコモはおサイフケータイで利用できるクレジットサービス「iD」を発表した。店頭に設置された読み取り機におサイフケータイをかざすだけで、サインやPIN番号を入力することなくクレジットカードが利用できる。

 iDの名は、自己証明、存在証明を意味する“Identity”と、身分証明書を意味する“ID”から付けられたという。iDとはどのようなものなのか。発表会の説明を元に、サービス内容を具体的に見ていこう。

ay_id01.jpg NTTドコモプロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部クレジットブランド担当部長の守屋学氏

「かざすだけ」で使える、少額決済向きクレジットカードサービス

 iDをエンドユーザーから見たとき、既存のクレジットサービスや、おサイフケータイで利用できる電子マネーサービスと比較すると、大きな特徴は3つある。

 1つ目は、利用金額が少額であれば、おサイフケータイをかざすだけでクレジット決済ができ、サインなどの本人確認が不要な点だ。高額決済(ドコモの規定するルールでは1万円以上、加盟店がより高額に変更することも可能)の場合には、読み取り機に暗証番号を入力して利用する。

 2つ目に、利用分は後から請求されるため、EdyやSuicaといった現行の電子マネーのようなチャージが不要になる。

 3つ目は、少額利用を想定して盛り込まれた、不正利用防止機能だ。おサイフケータイを落とした場合には、ユーザーが紛失した旨を届け出ると、紛失したカード番号(ネガ情報)がiDの読み取り機に配信され、端末を拾ったユーザーが端末をかざしても決済できないようになる。高額利用の場合は従来のクレジットと同じく、暗証番号入力と、店舗がセンターに問い合わせることによる本人照会で不正利用を防ぐ。

 また端末を紛失した場合には、遠隔ロック機能(電話をかけて規定の操作で端末をロックする機能)を利用して、不正利用を防ぐことができる。現行機種で実装されている遠隔ロック機能では端末全体の操作をロックする仕様になっているが、今後の端末ではFeliCaチップだけをロックするようになる予定だとした。

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ay_id03.jpg iDの不正利用対策。少額決済の場合はオフライン決済(店舗の読み取り機からセンターへ問い合わせない決済方法)になるが、オフライン決済の場合にも不正利用を防げるよう、紛失したカードについての情報(ネガ情報)が店舗へ配信されるなどの配慮がされている。また、携帯電話の端末側でのセキュリティ機能も利用できる

iDの第一弾は、三井住友カードから

 iDは、おサイフケータイでクレジット決済できる仕組み/ブランドの両方を指す。ドコモは他のクレジットカード会社と組むことで、iDの仕組み・ブランドを、オープンプラットフォームとして展開していく考えだ(11月8日の記事参照)

 iDの第一弾は三井住友カードの「三井住友カードiD」として12月1日からスタートする(11月8日の記事参照)、既存のクレジットカードを親カードとして持ち、おサイフケータイを子カードとして、紐付けて利用するイメージだ。iDで利用した金額は、親カードと一本化して請求される。

 三井住友カードのほかにも提携カード会社を広げていく考えだが、いつ頃どのカード会社と提携するかは未定。「大手カード会社のほとんどと交渉中。できるだけ多くのカード会社に応じてもらえるよう努力する」(守屋氏)。なお、2006年度上期を目処に、ドコモ自身も親カードを発行する予定となっている。

 また、auやボーダフォンのおサイフケータイでもiDが利用できるようになる可能性もある。「iDには広がりを持たせていきたい。他キャリアからもリクエストがあれば応じるが、まだ具体的には何も話していないし、未定」(守屋氏)

1つのアプリにカードは2枚まで。トルカでCRMを提供

 iDの仕組みは、フェリカネットワークスが策定した「モバイルFeliCa金融サービス基本仕様」に準じている(10月26日の記事参照)。これは、JCBなどが中心となる「モバイル決済推進協議会」(10月25日の記事参照)が採用している「QUICPay」とは異なるプラットフォームである。

 iDのアプリは、「ブランドアプリ(iDアプリ)」と「イシュアアプリ(各クレジットカード会社専用のアプリ)」の2段構成になっており、対応読み取り機ではショッピングとキャッシングに利用できる。

 ブランドアプリは各カード会社共通で、FeliCaチップの読み書きなど基本的な部分を司るもの。クレジットカード情報を2枚まで格納できるメモリ構成になっており、カードが2枚入っている場合、ユーザーはどちらを優先するか、自分で設定して利用する。

 イシュアアプリは、各カード会社が独自のサービスなどを載せるためのアプリで、カード会社が各自で開発する。ブランドアプリはドコモのおサイフケータイ全モデルに対応するが、イシュアアプリの対応機種は、各カード会社による。

 また、iDで利用できるCRM(customer relationship management)ツールとしてドコモが強調しているのが、FOMA 902iシリーズから対応する「トルカ」機能だ(11月7日の記事参照)

 店舗が独自に提供する、ポイントシステムやクーポン、チラシなどといったサービスを、トルカを使って店舗がユーザーに配布できる。「プラスチックカードにはできないこと。おサイフケータイならではのCRMツールとして使ってもらえる」(守屋氏)。iDの読み取り機はトルカを発信できる機能を必ず備えることとなっており、「12月1日から必ずトルカを利用するサービスが始まるとは限らないが、iDを利用する事業者は、トルカを必ず利用できるようになる」(NTTドコモ)としている。

 キャッシングには、銀行のATMを利用する。「銀行のATMに、ドコモのリーダー/ライターを付けて、おサイフケータイを読み取れるようにする」(守屋氏)。三井住友銀行のATMから対応が始まる見込みだ(4月27日の記事参照)

[吉岡綾乃,ITmedia]

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