MM総研は10月19日、2005年度上期の国内携帯電話端末出荷概況の調査結果を発表した。送出荷台数は前年同期比0.9%増の2129万台で、プラス成長に転じた(2004年10月20日の記事参照)。
2Gから3Gへの買い換え需要が堅調に進んでおり、2Gサービスを解約したユーザーの多くは3Gサービスに加入している。2005年9月末時点で、3Gサービスの加入者数は約3923万件、累計加入者数約8913万件の44%に達している。MM総研では、2005年度末には3Gサービスが約53%に達すると見ている。
メーカー別シェアではシャープが躍進、NECを抜いて1位になった。シャープはNTTドコモとボーダフォンに端末を提供しており、出荷台数362万台、シェア17%。前年同期比で出荷台数が14.2%増加、シェアも2%増加した。シャープは2005年度上期に、NTTドコモ向けに「FOMA SH901iS」「FOMA SH700i」「DOLCE」の3機種を、ボーダフォン向けには「V501SH」「302SH」「703SH」「903SH」の4機種を納入している。「05年度上期に新機種の納入が集中したことが奏功した」(MM総研)
8期連続でトップシェアを守っていたNECは、パナソニックモバイルと同率2位。NECはNTTドコモとボーダフォンに、パナソニックモバイルはNTTドコモのみに端末を提供している。パナソニックモバイルは、NTTドコモ内のシェア1位をNECから奪う形になった。MM総研では「N901iS、N701iを納入。一定の支持は得ているものの、これまでのような大ヒット商品には届かなかった(NEC)」「着せかえパネル『カスタムジャケット』が携帯電話のデザインに敏感なユーザー層の安定した支持を獲得している(パナソニックモバイル)」と分析している。
4位の東芝は前年同期比71.7%増の297万台、シェア5.8%増と高い伸びを見せた。東芝はauとボーダフォンに端末を納入しており、特にボーダフォン向けの出荷が増加している。5位の富士通はシニア向けの「らくらくホン」シリーズが好調で、安定した支持を得ている。
メーカー | 出荷台数 | 出荷前年同期比 | シェア | シェア増減 |
---|---|---|---|---|
シャープ | 362万 | 14.2% | 17.0% | 2.0% |
NEC | 335万 | -17.3% | 15.7% | -3.5% |
パナソニックモバイル | 335万 | -10.2% | 15.7% | -2.0% |
東芝 | 297万 | 71.7% | 14.0% | 5.8% |
富士通 | 171万 | 15.5% | 8.0% | 1.0% |
ソニー・エリクソン | 143万 | -18.3% | 6.7% | -1.6% |
三洋電機 | 142万 | -35.5% | 6.7% | -3.7% |
三菱電機 | 134万 | -2.9% | 6.3% | -0.2% |
その他 | 210万 | 30.4% | 9.9% | 2.3% |
2005年度の携帯電話市場は、前年度比0.8%増の4430万台とMM総研では予測している(4月21日の記事参照)。2G、3G共に、新規需要の伸びは鈍るものの、ナンバーポータビリティや新規参入事業者を見据えて各キャリアの囲い込み施策が進み、2Gから3Gだけでなく、3G端末内での買い換え需要が喚起されると見る。加入者数では2005年度末に3G構成比が50%を突破、2006年度には75%を占め、2006年度端末市場は、2005年度から8.8%増の4820万台になると予測している。
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