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2005/10/03 10:33 更新
神尾寿の時事日想:
普及進むQRコードは、使いやすさ向上が課題
iモードサイトユーザーの95%以上が認知しているQRコード。簡単な手順でより詳細な情報を入手できるQRコードの潜在市場は大きいが、現在の端末ではポイントであるはずの“使いやすさ”に課題がある。
9月21日、インフォプラントがQRコードに関する調査結果を発表した(9月21日の記事参照)。同調査によれば、QRコードを「実際に使ったことがある」と回答したのは、全体の73.3パーセント。「知っているが使っていない」というQRコードの認知者まで広げれば、96.5パーセントもの回答者がQRコードの存在を知っていた。iモードサイト利用者からの回答という点を差し引いても、QRコードの認知・普及はかなり高い。
1994年、デンソーウェーブによって開発されたQRコードは、その名にあるとおり「Quick Response」である点が特長だ。もとは自動車産業の「カンバン方式」向けに開発・普及し、物流や流通分野の現品表としても広まった。ユニークな例としてはコンタクトレンズの販売管理システムではQRコードが広く使われている。
このようにビジネス市場で普及していたQRコードだが、一般ユーザーにまで広がる“きっかけ”になったのは、携帯電話での採用が大きい。2002年にシャープ製端末で採用され、翌年にはドコモの505シリーズの一部、505iSシリーズの全機種が対応した。特に「ドコモ採用」の影響は、普及台数を増やす上で大きなポイントになった。
それから2年あまりで利用経験者73.3%というのは、機能普及としては順調といって過言ではないだろう。当初は広告業界が注目したが、今では食品トレーサビリティなど活用分野も広がっている。
QRコードのメリットが生かし切れないUI
しかし、課題もある。
QRコードのメリットは「高速性」と、それに裏打ちされた「使いやすさ」にあるのだが、携帯電話の読み取り機能はその部分が十分に生かされているとは言い難い。確かに「QRコード読み取りモード」になり、コードにカメラを向ければ高速に読み取られる。問題は、そこに至るまでのプロセスである。
実際に使ったことがある人なら分かると思うが、QRコードの読み取り機能は、メニュー階層構造の下位にある機種がほとんどだ。カメラ起動後にサブメニューから呼び出す機種もある。またAF機能のない機種ではカメラを接写モードに変更しなければならない。
このような一連のプロセスにより、QRコードの利用は携帯電話リテラシーの低い人には敷居が高く、面倒なものになっている。インフォプラントの調査でも、実際に使ったことがある層は若年層に集中し、19歳以下で9割近くを占めているという。QRコードは本来、使いやすさが売り物の情報取得機能であるのに、携帯電話では“使う状態”までの遷移が煩雑であるため、「携帯電話を使いこなさない一般ユーザー」の利用が促進できていないのが実情だ。
筆者は、対応端末普及が進んだQRコードの可能性は、今よりもさらに大きいと考えている。しかし、その潜在市場を活性化するには、「若い人、ケータイに長けた人しか使えない」という課題を解決する必要がある。今後、食品トレーサビリティなど生活分野での利用促進を鑑みれば、UIのてこ入れが必要だ。ユーザーがQRコード機能の呼び出しをせずとも、「カメラをQRコードに向ければ、自動的に読み取りが行われる」くらいの簡単さが欲しい。そこまでUIの改善ができれば、QRコードはモバイルFeliCaに並ぶ“生活インフラ”機能になるのではないだろうか。
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