このほか、社員証や学生証にFeliCaが内蔵されているケースもある。大学で講座の出欠を取るために利用したり(7月2日の記事参照)、社員の出退勤管理や、社員食堂での支払いなどに利用されている。
これらカードタイプのFeliCaを、携帯に内蔵できるようにしたものが「モバイルFeliCa」、通称“おサイフケータイ”だ。おサイフケータイのロゴはNTTドコモ、au、ボーダフォンの3キャリア共通で利用することになっており、サービス開始時期の差に伴う違いはあるが、基本機能は共通している。
カードタイプFeliCaと同様に、チップやアンテナといったハードウェアを内蔵しているほか、FeliCaチップに対応した専用アプリをインストールすることによって、さまざまな機能が可能になる。このアプリはキャリアによって名称が異なり、NTTドコモでは「iモードFeliCa」、KDDIは「EZ FeliCa」、ボーダフォンは「ボーダフォンライブ! FeliCa/Vodafone live! Felica」と呼んでいる。
モバイルFeliCaの場合、携帯アプリをユーザーがインストールすることにより、さまざまな機能を追加できる点がポイントだ。現在販売されている端末では、Edyは端末に最初からプリインストールされているので、初期設定を行えばそのまま利用できるが、そのほかのアプリは自分でダウンロードし、初期設定をすることで機能追加ができる。これはそのまま使えるカードタイプFeliCaと異なる点といえる。例えばEdyカードをSuicaの改札にかざしても改札は通れないが、おサイフケータイであれば、ユーザーがSuica用アプリをインストールすることにより、駅の改札を通れるようになる。
カードタイプのFeliCaが携帯電話に入ることで、どのようなメリットがあるのだろうか。
まず1つは、複数のFeliCaカードをまとめられることだ。カードタイプのFeliCaは単機能なものが多いが、携帯電話なら、アプリの数を増やすだけで、何枚もの会員証を持つのと同じになる。携帯電話1台で済めば、ユーザーにとって大きなメリットだ。
2つ目は通信機能を利用できることだ。これによって、カードタイプのFeliCaにはできなかったさまざまなことが可能になる。携帯電話だけで電子マネーの残高を確認したり、指定した銀行口座からオンラインチャージをしたり、といった操作だ。カードタイプではチャージや残高確認のための専用機が必要になるが、携帯電話なら場所を選ばない。
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