BREWアプリ開発を支えるサードパーティたち注目の携帯プラットフォーム、BREW最新事情(4/4 ページ)

» 2005年09月23日 23時41分 公開
[平野正喜,ITmedia]
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ワーカービーのゲーム開発ライブラリがビジネス用途へ

 携帯JavaゲームアプリのBREWへの移植を手がける会社は多く、作業効率を上げるべく、そうした企業向けにツールやライブラリを自社開発しているデベロッパーが複数ある。例えばスターゲームズの「J2Bトランスレータ」は、JavaアプリのバイトコードからBREWアプリを自動生成するもので、DoJa、MIDPの両方に対応しているのが特徴だ。

 同様に、BREW対応のゲーム開発支援ツールとして知られているクリーク・アンド・リバーの「Beeライブラリ」は、同社から独立したワーカービーにより「WKB-LIB」として引き継がれ、ゲームアプリのみならず、ビジネスアプリにも活用され始めてている。ワーカービーは、携帯で海外ゲームが楽しめる「世界名作ゲーム BEST of WEST」で知られるデベロッパーだが、同社代表取締役の加藤祐司氏によると、韓国製2次元カラーコード技術「カラーコード」を展開するカラージップの日本法人と連携してBREWアプリの開発を担っており、ここに「WKB-LIB」が貢献されているという。

 カラーコードは、2次元コードを赤青緑黒の4色で表現するもので、携帯とテレビ放送を連動させる次世代バーコードとして注目されている(6月17日の記事参照)。今年6月、カラージップ・ジャパンは、東京放送およびフジテレビジョンとともに、この技術を使用して、携帯電話とテレビ放送を連動させるアプリケーションの開発を行い、今夏からの運用を目指すと発表している。

ソフィア・クレイドルの開発フレームワークとアプリ圧縮ツール

 2003年10月、まだBREWという名前が知られ始めたばかりの頃に、ITmediaに「BREW プログラミング入門」を発表したのがソフィア・クレイドルである。加えて、世界中のBREWアプリデベロッパーに貢献しているのが、同社の開発フレームワーク「SophiaFramework」と、アプリ圧縮ツール「SophiaCompress」であろう。

 「SophiaFramework」は、2002年8月に同社が発表したアプリ開発フレームワークだ。これは、GUIフレームワーク、C++ユーティリティ・ライブラリおよびC++ラッパーの3層から構成された、BREW上に実装されたミドルウェアになっている。SophiaFrameworkにより、使いやすいグラフィカルユーザーインタフェースを含む、高品質なBREWアプリの開発が低コストかつ短期間で可能となる。バージョンアップも進み、BREWアプリデベロッパー各社において多数の導入実績がある。

 「SophiaCompress」はソフィア・クレイドルが2003年11月に発表したBREWプログラム圧縮技術だ。BREWプログラムのコンパイル後の形式であるmodファイルをそのまま圧縮し、実行できる世界唯一のBREWプログラム圧縮ツールだ。小さいサイズの多機能アプリを作れることができることから、多数のゲームメーカー、コンテンツプロバイダ、システムインテグレーターを中心に採用された実績がある。今年6月にはBREW 3.1に対応した新バージョンが国内外24カ国に出荷開始となった。新バージョンでは、メモリ容量の少ないBREW端末でも利用可能にするなど、より高い可用性を実現している。

 同社の杉山和徳社長は、「おそらく世界で日本がBREWの最先端を行っていると思う。ゲーム分野以外での応用事例がどれくらい出るかが、これからの大きなビジネスチャンスにつながってくる」と述べている。日本発のツールやライブラリが世界のディベロッパーに貢献し、BREWアプリの世界的な流通や開発協力が実現しつつあるのだ。

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