「NTTグループ再編は資本分離してからの話」〜KDDI小野寺社長(2/2 ページ)

» 2005年09月21日 17時55分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 NTTグループを見ると、NTT東西はNTT持ち株会社の100%子会社。NTTドコモもやはり、NTT持ち株会社の出資比率が59.85%(2005年3月末現在)となっている。小野寺氏はこの状況を踏まえ、自由競争をやりたいというなら「それこそNTT東西を完全資本分離し、NTTドコモも資本分離すべき」と断じる。

 資本分離すれば、元は同じグループの企業といえども競争せざるをえない。これは米国のAT&Tが1984年に分割され、7つのRBOC(地域系通信会社)が設立された後のことを考えても明らかだという。

 「自分の会社を伸ばすためには、他社のエリアを食わなきゃ伸びられない。これを(RBOCが)お互いやった。合従連衡もあった。その流れの中であれば、NTT東西が一緒になったっていい。このほうが競争が促進されるかもしれない。しかし今のNTTは、『NTTコムが苦しいから東西と一緒にしなきゃいかん』という。そうじゃないでしょうと」

 KDDIとNTTグループがそれぞれ考えるグループ再編の姿が、ベーシックな部分で異なっているのだとした。

東電との合併交渉は「決まっていることなし」

 会場では、KDDIとパワードコムが合併すると報道された件で(8月24日の記事参照)「現段階での進捗状況はどうか」との質問が出た。これに対し小野寺氏は、まだ決まっていることはないとだけ話す。

 報道陣からはまた、先日総務省の情報通信審議会でKDDIが“ドミナントな事業者”として規制すべきか諮問された件でも質問が飛んだ。KDDIがツーカーグループを統合すると、全国で「第2種指定電気通信設備の市場シェアが25%を超える通信事業者」として規制される可能性がある。

 ただ、この件について小野寺氏は「どういうかたちになるのか見守りたい」とまずは静観の構え。

 「規制がかかった場合、最大の問題は約款が届出制でよかったところが事前報告制になるということ。ただ今時点ですぐに大きな影響が出るか? というと、そこまではいかない」。現時点で特段のアクションを起こす必要はないとの考えを示した。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.