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2005/09/20 10:37 更新

神尾寿の時事日想:
KDDI、デュアルバンド端末の必要性

総務省から800MHz帯および2GHz帯を使う端末で包括免許を受けられる見込みとなったKDDI。デュアルバンド対応端末が必要な理由とは。

 9月14日、総務省がKDDIに800MHzおよび2GHz帯を使う端末の「包括免許」を与える方針を表明。KDDIがデュアルバンド端末を発売する意向を示した(9月14日の記事参照)

 KDDIは3G移行において、ドコモやボーダフォンのように“いきなり2GHz”を使うのではなく、前身のサービスである「cdmaOne(IS-95b)」で使用していた800MHz帯をそのまま使う“ソフトランディング”方式を採用した(2003年10月24日の記事参照)。cdmaOneとCDMA2000 1Xの技術的な親和性の高さも相まって、auは早期の3Gサービス展開に成功したのだ。

 しかし中長期的に見ると、KDDIは「現在の800MHz帯サービス」を使い続ける方針ではない。KDDI自身が認めているように、現在の800MHz帯サービスは周波数の上下利用が世界標準と逆転しているなど、「周波数の使い勝手が悪い」(小野寺正社長)からだ(2004年10月28日の記事参照)。この解決策として、2012年頃を目処に800MHz帯の再編成が行われる。

 周波数の再編成を混乱なく行うには、ユーザーのトラフィックを別の周波数に“待避”させる必要がある。そこで使われるのが2GHz帯であり、これは同じく800MHz帯の再編をするドコモも同様だ。しかし、ここで課題になるのが、これまでKDDIが「2GHz帯でのサービス」を本格的に提供していない点だ。商用サービスでのノウハウ蓄積は、ドコモやボーダフォンより少ない。移行期の混乱を避けるためにも、2GHz帯での実績を作りながら、綿密なインフラ整備をしておく必要がある。

 また、近い将来の事を考えると、KDDIの目指す「モバイルブロードバンドの進化」に現行の800MHz帯だけでは足りなくなるのは確実だ。特にユーザー数の多い都市部では、トラフィック問題は深刻化しやすい。中長期的には「ウルトラ3G(6月15日の記事参照)」など複数メディアを混在させる施策を打ち出しているが、今後数年の視野では「2GHz帯の3Gを早期に安定化させてトラフィックの“逃げ道”を作る」方が現実的である。

 デュアルバンド携帯を早期に実用化し、普及ベースに乗せられるかは、auの今後の成長において重要なミッションになりそうだ。

[ITmedia]

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