2005年6月の発表から1か月後、salesforce.com Mobile Edition for auは数社への試験サービスを開始、8月15日からは無料のお試しサービスを始めた。「すでに20社以上に試していただいています。1社あたり平均10台程度ですが、中には100台以上という大規模なユーザーもいます」(セールスフォース・ドットコム治田氏)
前述の通り、当面salesforce.com Mobile Edition for auが提供するのは顧客情報管理、商談管理、行動予定管理、スケジュール管理などだが、その将来像はかなり大きい。というのも、今回携帯電話に提供されるのは、オンデマンド営業&マーケティングソリューション「Salesforce」のサービスであり、これは「salesforce.com」を構成する5つのコンポーネントの1つに過ぎないためだ。
「salesforce.com」はユーザーインタフェースを最上位とする階層構造のアーキテクチャを定義しており、「Salesforce」はその2層目にあたるアプリケーション層に位置する。同じ層には、オンデマンドカスタマーサービス&コンタクトセンターソリューション「Supportforce」があり、これらは下位の3層を構成するオンデマンド・アプリケーション・カスタマイズ・ツール「Customforce」、オンデマンド・インテグレーション・プラットフォーム「Sforce」、オンデマンド・オペレーティング・システム「Multiforce」の上に乗っている。salesforce.com Mobile Edition for auによって、Salesforceが携帯から利用可能になったことは、Supportforceもまた短期間に携帯対応できるだろうことを意味する。
salesforce.com Mobile Edition for auで提供されているサービスは、salesforce.com全体から見ると、コンポーネントの1つにすぎない