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2005/09/08 13:02 更新

神尾寿の時事日想:
本格化する「ケータイナビ」時代

KDDIに続き、ボーダフォンも携帯向けGPSナビゲーションサービスを発表した。GPSの標準搭載も近づいており、携帯電話向け位置情報サービス/コンテンツの重要性が高まっている。

 9月7日、ボーダフォンはGPS機能を内蔵し、国内・海外でGPSナビゲーション機能を持つ「903T」を発表。同時にGPSナビゲーションサービス「Vodafone live!NAVI」を公開した(9月7日の記事参照)

 詳しくはレポート記事に譲るが、Vodafone live!NAVIの特長は「海外でも使えること」。さらに「ゼンリンいつもナビ」が歩行者の視点に立ったルート案内や、助手席ナビで重宝するVICS渋滞情報を用意するなど、そのサービス内容は、かなり作り込まれている。これまでauの独壇場だったGPS携帯向けサービスに、一石を投じる内容だ。

GPS携帯電話は今後期待の新市場

 以前のコラムで何度も触れたが、現在、総務省では携帯電話へのGPS搭載義務づけについて準備をしている(5月23日の記事参照)。これは警察庁や海上保安庁、消防庁が「携帯電話からの緊急通報」に対して、的確に現場へ急行するための動きであるが、当然ながら平時にGPS機能を放っておく手はない。ナビゲーションサービスを筆頭に、GPS関連サービス/コンテンツは今後、成長が期待される分野だ。コンシューマー向けはもちろん、ビジネス市場向けのサービスも多く生まれるだろう。一般的なカーナビと違い、携帯電話では通信を使ったリアルタイムコンテンツが容易に提供できるのも追い風だ。実際、auのEZ助手席ナビ(9月1日の記事参照)やVodafone live!NAVIは、テレマティクス機能を当たり前のように搭載している。

 またGPS関連コンテンツでは「地図」を扱う機会が増えるため、大型・高精細液晶のニーズや、NECのニューロポインターのようなアナログ入力デバイスのニーズを高める。また今後ナビゲーションサービスが発展すれば、高精細地図を随時ダウンロードするのではなく、携帯電話側のメモリーストレージに一時保存する仕組みが取られるだろう。メモリーの大容量化ニーズにもなりそうだ。

 昨年、欧州で「ガリレオ」(欧州主導の次世代位置測位衛星システム・2008年稼働予定)計画に携わる欧州委員会委員と政府関係者、メーカー関係者、学者と意見交換する機会があった。その席でガリレオの民間ニーズの話になったのだが、計画として期待する2本柱が「クルマ」と「ケータイ」だという。特に測位誤差1メートル以下というGPS以上の高精度を持つガリレオは、携帯電話の位置情報サービスに与える影響が大きいと期待されている。

 日本ではGPS補完システムとして「準天頂衛星」を検討しているが、実際に稼働するかは現時点で不分明だ。しかし、こちらも測位誤差を10メートル以下にする高精度化が目玉なので、民間最大のアプリケーションは携帯電話向けサービスになるだろう。

 まずはGPS、そして将来のポストGPSをにらんで、携帯電話向け位置情報サービス/コンテンツの重要性は高い。

[神尾寿,ITmedia]

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