固定電話も携帯に置き換え──VMOの“意外なメリット”第3回(2/2 ページ)

» 2005年09月07日 00時00分 公開
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事例2 営業部員60%のサタケが、VMOを選んだ理由

株式会社サタケ
インテリア資材の専門商社。東京本店のほか、都内5店、千葉、埼玉、茨城にも拠点を持つ。社員数は約100名で、うち6割が営業部員

 サタケは内装業者を顧客とする、カーテンや床材などの内装材を販売する商社である。全社員100名中60名が営業部員として社外に出ていることが多く、在庫の調査や社員間のコミュニケーションに携帯電話は不可欠のものとなっている。

 通信コストを抑えるため、携帯電話の支給は一部の役職者など。それ以外の営業部員には月額5000円の通信費手当を支給していた。しかし、通信費手当だけでは通話料をカバーすることはできない。このため公衆電話の利用を促したり、本支店へ個人所有の携帯電話で連絡した後に固定電話からコールバックしてもらったりといった運用の工夫を行っていた。

 しかし営業員の比率が高いこともあり、本支店では多くの固定電話回線を契約し、話し中にならないよう工夫しなければならない。その基本料金やコールバックで発生する携帯電話への通話料も考慮する必要がある。また会社支給の携帯電話は1回線あたり月額2万円程度の通話料がかかっていた。

業務部主事の坂間義明氏

 このため早くからモバイルセントレックスの導入、あるいは固定電話のIP電話化などを検討していたが、いずれも会社規模や目的の点でしっくりと来ない。しかしVMOならば初期導入コストが安く、小規模からスタートさせ追加導入も携帯電話を買い足すだけ──と容易なことから、導入を決めた。

 導入当初は51回線、現在は63回線のVMO契約の携帯電話を利用中とのことだが、トータルコストは大幅に下がった。また在庫管理が中心業務で顧客からの電話が入らない一部支店では固定電話そのものを廃止し、VMO契約の携帯電話を置くだけにしたという。社内連絡だけであれば、固定電話を置くよりも携帯電話だけで済ませたほうが安上がりになるからだ。

 加えて副次的な効果として、営業から本支店への連絡が携帯電話で入るため、在庫確認を倉庫で直接行いながら即時、営業部員に回答するなど携帯電話ならではの利点が見えてきたという。

コミュニケーションの活性化を導くVMO

 さて、VMOの典型的な成功例として紹介したコノエとサタケだが、両社が口を揃えて話す副次的なメリットがVMOにはある。

 昨今、携帯電話の普及により、ほとんどの成人が携帯電話を個人で所有するようになった。こうしたこともあってか、外勤の社員に対しても携帯電話を支給しない事例が多い。しかし現実には公衆電話の設置数が減り、また一方でビジネスのスピードが要求される中で、個人所有の携帯電話で業務上の通話を行わなければならないことが増えている。

 企業がこうした事実に対してどのように対応していくか。携帯電話の支給が今後必要なのではないか。あるいは何らかのカタチで外勤社員に対する金銭的支援が必要ではないかなど、しばしば問題になる。サタケの事例では、細かな連絡を入れる担当者の場合、自己負担分が2万円を超えるケースもあったという。企業側もこれを救いたいと思いつつも、予算的に支援することが難しかった。

 しかしVMOならば社内の業務連絡は通信料無料でカバーできる。VMO契約の携帯電話から社内のVMO登録の固定電話に対しても安価に通話が可能だ。両社とも個人所有の携帯電話を業務利用する必要がなくなる点をメリットとして挙げている。

 また、これまでは通話料金を気にして手短な連絡だけに留めたり、翌日に回せる連絡を後回しにしたりすることが多かったのが、料金を気にせず必要なだけ通話できるため、社員間のコミュニケーションが活発になったという。さらに個人所有の携帯電話を使っていた営業担当者から事業拠点への連絡が細やかになり、事業機会を遺失することも激減した。営業報告がきめ細かに入るようになったというのも同じ理由だろう。

 “いつでも、どこでも”は携帯電話ならではの長所だが、これに“いくら使っても”が加わることで、携帯電話を社員間のコミュニケーションツールとして飛躍させることができたというわけだ。とかくコスト面だけしか評価されにくい通信関連サービスだが、実はこうした見えざる利点もVMOは生み出しているようだ。

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