メッセージングサービスは日本に根付くか?――IntellisyncInterview(1/2 ページ)

» 2005年08月31日 16時13分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 インテリシンクの「Intellisync Mobile Suite」(以下Mobile Suite)は、会社のメール(POP/SMTPやIMAP、Exchange、Notesなど)を携帯やPDAを使って送受信したり、会社で使っているグループウェアと携帯・PDAの間でスケジューラやアドレス帳を同期させたりできるものだ。

 最新版の「Mobile Suite 6.4J」では、クライアントソフトの種類が増え、さまざまな携帯電話で利用できるようになった。Symbian OS端末であるドコモ「FOMA M1000」やボーダフォン「Vodafone 702NK」ではほぼフル機能が利用可能。FOMA900i/901iシリーズやVodafone 3Gでも、iアプリ/Vアプリの制限上、プッシュ機能が利用できないという制限はあるものの、各種データのシンクや、遠隔操作でのバックアップ・リストアができるようになった(8月31日の記事参照)

 今回は米国Intellisyncの副社長で、プロダクトマネジメントを担当するビル・ジョーンズ氏に、Mobile Suiteの特徴や、日本市場への展開について聞いた。

米国Intellisync副社長のビル・ジョーンズ氏

BlackBerryが米国で人気を集めた理由

 携帯電話を使ってPCメールをやりとりできるサービスといえば、すでに米国ではRIMの「BlackBerry」が人気を博している。Mobile SuiteはBlackBerry的な機能に加え、さらに使いやすく各種の機能をパッケージングした製品、という印象を受ける。

 そもそも、なぜBlackBerryは米国で人気が出たのだろうか。ジョーンズ氏はこう分析する。「BlackBerryは、米国で最も成功したデータ通信サービスだ。成功の理由は、大きく4つ挙げられる。まず、QWERTY配列のフルキーボードが使えたこと。次にソフトがよかったこと、販売チャネルがよかったこと。そして端末のバッテリーの持ちがいいことだ」

 QWERTYキーボードであれば、携帯の数字キーよりも容易にメール入力ができる。ソフトは、携帯に入っているクライアントソフトと、PCにインストールするソフト(BlackBerryのデバイスとデータを同期させるために必要)の両方ともが、ユーザーに受け入れられたという。バッテリーの持ちについても、説明は不要だろう。

 販売チャネルの話は少々複雑だ。BlackBerryは端末およびサービスの総称であり、企業向けパッケージと個人向けパッケージとがある。個人向けパッケージの場合、デバイスの販売やサービス契約はRIMではなく、通信キャリアが請け負っている。BlackBerryのデバイスを300〜400ドル程度で購入し、月額50ドル程度の料金を支払うことで利用できるケースが一般的だという。

BlackBerryとMobile Suiteの違い

 BlackBerryが受け入れられた最初のきっかけは、まず“Eメールをプッシュで受けられる”“アドレス帳データをほとんど無制限に持てる”、という2点だったとジョーンズ氏は言う。アドレス帳データが無制限に入れられるとなれば、PCにすでに入っているデータをどう携帯に移行するかがポイントになる。BlackBerryはここをワイヤレスで簡単に行えるようにして、人気が出た。もう1つ、法人顧客にとって重要な、スケジュールデータの同期機能も備えている。

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