新しい携帯電話用Javaプラットフォームの開発に当たっては、携帯電話端末技術の今後の方向性を見極める必要があるようだ。
夏野氏は、将来の携帯電話に関するドコモの計画を明らかにしないが、Javaが最初に携帯電話に登場してからの4年間を振り返れば、この技術が大きく変化したことが分かる。
現在、日本の先進的な携帯電話では、決済用の非接触型スマートカード、デジタル音楽プレーヤー、デジタルカメラ、文書閲覧用ソフトウェアといった機能が標準となっているが、2001年の時点では、こういった機能は一般的ではなかったか、もしくはまだ利用できなかった。
このため、Starプロジェクトでは、Javaプラットフォームが動作するランタイム環境を検証する作業も行われる。夏野氏によると、今日のほとんどの携帯電話ではConnected Limited Device Configuration(CLDC)が採用されているが、日本で販売されている一部の高機能端末では、より高い能力を提供するConnected Device Configuration(CDC)を採用するメリットがあるという。
SunでJavaMEを担当するシニアディレクター、エリック・チュー氏によると、最近の高機能型携帯電話ではCLDC技術の限界が次第に明らかになってきたが、大多数の端末では、まだ同技術で十分間に合うという。
「市場の80〜90%に関しては、CDCというソリューションは適切な選択ではない。CLDCが適切なプラットフォームだ。しかしスマートフォン用としてはやや非力だ」とチュー氏は語る。
チュー氏によると、Sunはドコモとの共同開発では、JCP(Java Community Process)の一環としてキャリア各社と共同で策定した標準よりも優先するような形でドコモのプラットフォームを支持あるいは推進することはないとしている。Sunでは、JCPで開発した技術をドコモの新しいJavaプラットフォームに組み込む機会として、同社との提携を位置付けているという。
ドコモとSunは、新プラットフォームの開発に要する期間を明らかにしていないが、夏野氏によると、DoJaの開発に要した2年という期間が1つの参考になるかもしれないとしている。
新プラットフォームが完成すれば、ほかのキャリアもそれを利用できる可能性がある。そうなれば、アプリケーション開発者にとっては大きな朗報だと言えそうだ。
「これをドコモ専用にするつもりはない」(夏野氏)
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