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2005/07/13 22:13 更新

ワイヤレスジャパン2005:
音声定額で、通話時間が30倍に伸びた──ウィルコム

5月1日から音声定額プランを打ち出したウィルコム。音声通話の利用時間や、新規加入ユーザーのアンケート結果について明らかにした。

 「今まで、皆さんこれだけ話したかったんだなぁと。我々の見込みが甘かったことを知りました」

 「ワイヤレスジャパン2005」(特集参照)の基調講演で、ウィルコム社長の八剱洋一郎氏はそう話した。

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ウィルコム社長の八剱洋一郎氏

 5月1日から、月額2900円でウィルコム端末同士の音声通話無料、メールも無料、という音声定額プランを始めたウィルコム。プラン発表前には、他社のデータも参考として調べたという。「他社(の携帯キャリア)さんは平均、2時間半前後の通話時間。我々はそれより少し多く、平均通話時間が3時間程度、ウィルコム同士は20分程度と少なめ」だったため、音声定額の導入後には“通話無料になれば、もっとたくさん話そうと思うだろう。ウィルコム間通話は今の10倍、200分くらいになるだろう”と予想していた。

 5月1日に音声定額を開始、輻輳(ふくそう)を心配して当初は技術者が徹夜でネットワークを監視するなどしていたが、ほとんどネットワークに影響がなかったため、5月中は特に監視もしないでいたという。1カ月が経って5月の実績を取ってみたところ、1ユーザーあたり平均16時間以上、ウィルコム端末同士では予想の30倍強、10時間程度通話していたことが分かった。

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黄色いグラフが、NTTドコモとauユーザーの月間平均通話時間(分)。点線部分がウィルコムの想定した通話時間、実線が5月分の実績となる

 収益的には「儲かっているサービスとは言えないが、収支とんとん」(八剱氏)。1回線あたりの売り上げ平均は4000円強、そのうちウィルコム内でかかっているコストが40%程度、残りがアクセスチャージだと説明。「ウィルコム間通話のアクセスチャージがかからないよう、ITXへの置き換えで収益アップが見込める」とした。

 ITXとは、NTTの交換局に設置する、NTT地域網をバイパスする装置のこと。NTT地域網をバイパスすることにより、NTTへ支払うアクセスチャージが発生しなくなるため、コストを下げられるようになる(3月15日の記事参照)

“エリアに不満”は35%、それでも“他の人へ勧めたい”

 ウィルコムでは、音声定額プランに加入したユーザーに対し、アンケートを行っている。講演ではその集計結果も示された。

 アンケートによると、「主な通話の相手先」は、恋人・友人が52%、家族が28%、仕事16%、その他が3%。また、携帯電話と併用して利用している“ダブルホルダー”が54%、ウィルコム端末を単独で利用している人が46%。「これまで携帯電話にいくら払っていたか」という問いには1万円以上と答えた人が42%、5000円以上1万円以下が34%、3000〜5000円が18%、3000円以下が6%となっている。「携帯電話にたくさんお金を払っている人は、ウィルコム端末と併用することで通話料金を節約しよう」「恋人や友達など、よく話す相手と一緒にウィルコム端末を持とう」というマーケティング戦略が成功していたことが分かる。

 ユーザーの不満点は「エリア」。エリア状況についてのアンケートでは、「かなり不満」10%、「やや不満」25%、「まあ満足」53%、「非常に満足」12%となっている。

 しかし総合的な満足度は高く、「絶対に勧める」23%、「勧めたい」39%、「勧めてもいい」32%、「あまり勧めない」6%、「絶対に勧めない」1%。エリアに対して「かなり不満」「やや不満」と答えたユーザーのみを抜き出しても「あまり勧めない」11%、「絶対に勧めない」2%と答えた以外のユーザーは肯定的。「エリア的に不満な人でも満足度が高いのは、複雑な気持ちだがうれしい」(八剱氏)とした。

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エリアに不満を持つユーザーの割合(左)と、エリアに対して「かなり不満」「やや不満」と答えたユーザーの満足度(右)


[吉岡綾乃,ITmedia]

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