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2005/07/01 20:00 更新

キーマンが語るワイヤレス業界のこれから:
ビジネスマン、ビジネスウーマンにもっと便利な端末、サービスを──NTTドコモ (1/4)

ユーザーの3Gへの移行、おサイフケータイのインフラ整備などに注力した2004年。2005年、2006年、ドコモはどこへ向かうのか? NTTドコモ取締役常務執行役員の辻村清行氏に聞いてゆく。

 ユーザーの3G移行が進んだ2004年。2005年は、3Gをさらに高速化する、ネットワークのアップグレードが進行中だ。また、電話番号を変更せずに携帯キャリアを変更できるモバイルナンバーポータビリティ(MNP)も控えている。ドコモは今後、どのような方向で舵を切るのか。NTTドコモ取締役常務執行役員の辻村清行氏に話を伺った。

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NTTドコモ取締役常務執行役員の辻村清行氏

ITmedia 昨年はiモードFeliCaを用いた「おサイフケータイ」(特集参照)、新しい割引プランやパケット定額プランなど、特にサービスやアプリケーションの面でさまざまな仕掛けを施し、ユーザーを引き付けてきました。しかし来年、MNPの導入により今よりもさらに競争が激化してくると予想されます。MNP導入後の戦略を成功に導くには、どのような点に力を入れるべきでしょう?

辻村 まずは“MNPに対して奇策はない”。これが我々の考えです。今挙げられたように、我々はさまざまな側面から顧客ニーズに対して応えようと努力をしてきました。それら1つ1つを磨き上げることが、MNPの導入で成功するために必要です。

 まず、これまでiモードパケット定額サービスやファミリー割引の充実などを実施してきましたが、今後も顧客ニーズに合致する戦略を展開します。次に、ネットワークの品質です。きちんと接続できての携帯電話です。数年前は高層マンションや地下鉄ではつながらないのが当たり前で、顧客もそれに慣れていました。しかしつながるのが当たり前の今、つながらないエリアがあると大きな不満になります。この中にはネットワークの信頼性といったものも含まれます。

 3つ目に、端末の魅力を引き上げること。常に身に付けるものですから、趣味趣向に合う好みのデザインが選べるようにする。また、同じ操作を行うにしてもクリック数が少ないなどユーザーインタフェースのシンプルさを追求していきます。4つ目はアプリケーションの充実です。FeliCaを用いたさまざまなサービスは、さらにアプリケーションの幅を拡げています。また、iモードのコンテンツも新しい挑戦がまだまだ行えます。例えばiモードを用いてコミックをダウンロード購読できるようになってきました。

 そして最後がアフターサービスです。携帯電話は落としたり、水に濡らしたりと、使えなくなるリスクの多い機器です。またソフトウェアのバグへの対応についても、お客様が使用する上でのストレスを少なくする取り組みを行っています。

カバーエリアの拡大、品質向上への投資を続ける

ITmedia カバーエリアの話がありましたが、高層マンション上層階へのサービスは長い間、携帯電話における課題でした。ユビキタスなネットワークのインフラを作る上で、居住スペースのカバーは必須でしょう。

辻村 高層マンション等で携帯電話が使える環境を作るためのメニューを用意していきます。屋内基地局のIMCS(Inbuilding Mobile Communication System)を用いたり、地上から上方に向けて指向性アンテナを設置してカバーするなどのアプローチを取っています。山間部などを中心にエリアカバレージを拡げていく一方、都市部に関しても追加の投資を積極的に行っています。毎年8000億円程度の投資が当面の巡航速度だと考えていましたが、今年は約8500億円の予定です。

携帯はすでに社会的なインフラ

ITmedia MNPの先、長期のレンジでは携帯電話事業者はどのような方向に向かうべきだとお考えでしょうか?

辻村 PHSを含めると携帯電話の契約数は9000万にも上ります。これは単純に考えれば人口の70%以上に相当し、社会インフラとして定着しています。これだけインフラとして定着しているものだけに、今後はより一層、社会的な信頼感や責任感が求められるでしょう。生活基盤を担う企業として社会的責務を果たすため、単純に通信インフラとしてサービスを提供するだけでなく、生活の様々な場面で便利にご利用いただけるように取り組んでいきたいと思います。

ITmedia 生活に密着して使えるものというと、具体的にはどのようなものでしょうか?

辻村 例えばクレジットカードがあります。プラスチックのカードがクレジット機能を持っていますが、これを携帯電話で扱えるようにすることで、機能や使いやすさなどを向上させることができます。ほかにもプラスチックカードでさまざまな情報やサービスが管理されています。身近なところでは、レンタルビデオの会員証や販売店のポイントカードなども、携帯電話のサービスとして取り入れることができます。我々は生活全体を豊かにするために、新しいサービスを生み出す努力を行いたいと考えています。

ITmedia 新しいサービスを掘り起こすために必要なこととは何でしょうか?

辻村 社会的なインフラを創出し、その中で料金を徴収する仕組みも確立しました。その中でアプリケーションを自ら考えることも我々の仕事だと思っています。加えてNTTドコモは、常にオープンに他社から持ち込まれるアイディアに対しても耳を傾けるようにしています。さらに便利な機能が実装されるほど、端末を紛失した時のダメージが大きい。そうした意味でも便利なサービスに見合う強固なセキュリティも同時に研究しなければなりません。

MNP後も、料金だけの争いにはならない

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[本田雅一,ITmedia]

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