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FeliCa&BREWに注力する理由──アイ・ウェイブ・デザイン

BREWとFeliCaに注力して、アプリを開発しているアイ・ウェイブ・デザイン。社長の長橋氏に、なぜ“FeliCa+BREW”なのかを聞いていく。
2005年06月01日 07時45分 更新

 KDDIの社内アプリケーションとして利用されている「ウェブハロー」(5月13日の記事参照)。携帯電話を使って、社外から社内イントラにアクセスするための“BREW版ウェブハロー”を開発しているのが、神戸に本社を置く「アイ・ウェイブ・デザイン」だ。

 同社では、ビジネス向けのBREWアプリケーションに力を入れており、今後はFeliCaとBREWを組み合わせたソリューションを重点的に開発していくという。なぜ「BREW+FeliCa」なのか、社長の長橋大蔵氏に話を聞いた。

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アイ・ウェイブ・デザイン社長の長橋大蔵氏

 アイ・ウェイブ・デザインは1999年に設立された会社だが、2003年以降、携帯電話関連を中心に、業務内容をシフトしている。携帯電話向けの各種公式サイトの構築経験が豊富で、日本相撲協会の公式サイト「大相撲 http://www.sumo.or.jp」の制作などを手がけている。もともと、データセンター事業も行っている会社だけに、コンテンツの企画やサイト構築だけでなく、サーバの構築・保守も手がけている。このサーバの信頼性こそがアイ・ウェイブ・デザインのウリともいえる部分だ。

 「3キャリア対応の公式サイトには、一般の携帯向けサイトとは違う難しさがあります。最も気を遣うのは、『絶対に止めてはいけない』ということ。また、Jリーグの公式サイトや、飲料メーカーのキャンペーン用サイトなどでは、短期間にものすごい量のアクセスが殺到します。こういった瞬間風速が高いサイトでは特に、データベースの負荷分散や、データベース構築に際しての工夫がポイントになります。一般的にWeb製作会社は、データベースサーバーを自社で持たないことが多いのですが、このあたりのノウハウは、自社でデータベースサーバーを構築・保守している会社でないと分からないところでしょう」(長橋氏)

BREWでビジネスアプリを開発

 そんな同社が、2003年ごろから特に注力しているのがBREWプラットフォームだ。2004年3月には、BREWアプリ用フレームワークを提供するソフィア・クレイドルと協業している。

 携帯電話向けのコンテンツ開発としては対応クライアント数が多いJavaではなく、なぜBREWに力を入れているのだろうか? その理由は、「JavaよりもBREWのほうが、ハードウェアへのアクセスが簡単だから」だと長橋氏は言う。アイ・ウェイブ・デザインが開発を行うBREWアプリは、その用途の多くがビジネス向けだ。「携帯電話でビジネス情報を見る場合、どうしてもなくした場合の心配があります。サーバから端末の情報を強制的に消去するなどの操作をしたり、サーバ側から携帯のアプリを起動させるといったような、ハードウェアを直接叩くタイプのアプリを作るには、BREWのほうがアドバンテージがあるのです。また、業務用ソリューションと連携したアプリとして、例えばGPSと連動して位置情報を利用したり、端末内の情報を赤外線でプリンタに飛ばして印刷したりするアプリを開発しています。こういった、情報を“見る”だけでなく“送る”ような通信アプリには、BREWはとても適しているのです」(長橋氏)

 しかしBREWアプリには、KDDIの認可を得ないと販売できないという制限がある。認可を得るのは難しくないのだろうか?

 「KDDIの認可を取るのは大変ですが、だからこそ品質が保てるともいえるのです。業務用アプリの場合、品質に対する保証がコンシューマー向けよりもはるかに高いのです。検証ノウハウにも独自のものが必要になり、認可を取るのは非常に難しい」(長橋氏)

FeliCaの決済機能や個人認証機能に注目

 アイ・ウェイブ・デザインの2005年のキーワードは「BREW+FeliCa」だという。現在、FeliCaは電子マネー機能やポイントシステムを中心に利用が広まりつつあるが、長橋氏は、FeliCaの大きなメリットを、決済機能と個人認証機能に見いだしている。「この2つを組み合わせたソリューションをやっていきます。ただとくに、個人認証機能はまだほとんど利用されていないですね。個人認証ができて、決済ができる端末となると、前述のように『落としたときに悪用されるかもしれない』という不安がありますが、BREWなら、サーバサイドから必要なデータを消去するなどの対処ができる。だから“BREW+FeliCa”なのです」という。

 アイ・ウェイブ・デザインは、モバイルインパルスが運営する「オシャレライフ」「ウエストゲート」という携帯コマースサイトのシステムを構築しているが、そこでも今年の夏を目処に、新しいFeliCa決済の仕組みを導入予定だという。例えばインターネットカフェのような、不特定多数の人々が利用するPCで、クレジットカードなどの個人情報をPCに打ち込むのは危険だ。そこで、一般的なFeliCaのリーダー/ライターを使って個人認証を行い、その場で決済できる仕組みを用意する。ポータルサイトと組んで、ペイパービューの映画の支払いに利用するなどの展開も考えているという。

 同社では2004年12月に、フェリカネットワークスとパートナー契約を結んでいる。FeliCaの共通領域の利用方法や、具体的な利用法に合わせて必要な基準を決めるプロセスに参加していきたいという期待を持っているという。

[吉岡綾乃,ITmedia]

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